「ポンピングロス」の版間の差分
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2010年2月2日 (火) 09:05時点における版
ポンピングロス(吸排気損失)とは、レシプロエンジンのシリンダー内へ吸気および排気する時に発生するエネルギー損失のこと。
空気にも質量があり、エンジンがそれを出し入れする際にポンプのように働くことが原因で、構造的な損失である。特にガソリンエンジンでは、スロットルバルブを用いて吸気量を絞って出力を調節するため、吸気損失の割合が大きい。スロットルバルブを持たないディーゼルエンジンにはポンピングロスが無いと言われることもあるが、これは誤りである。いかなる形態にせよ、大気開放の状態から吸気導入経路を経てエンジンが吸気する時点で、吸気損失は発生する。このポンピングロスを積極的に活用するのが、エンジンブレーキである。
特に自動車用エンジンにおいては、必要とされる出力が極めて大きく変動するため、実際の運転においてはスロットルバルブによる吸気損失の割合が大きい。定常運転が主体となる産業用エンジンや船舶用エンジンではこの限りではない。
気筒休止エンジンでは一部の吸排気バルブを閉じて稼働するシリンダーの数を減らし、ポンピングロスを削減して省燃費を実現する。