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'''オワンクラゲ'''(御椀海月、御碗海月)は、[[日本]]各地の沿岸で見られる[[ヒドロ虫綱]]<!--[[軟クラゲ亜目]][[オワンクラゲ科]]-->に属する[[クラゲ]]様の[[無脊椎動物]]。その傘はお碗を逆さにしたような形をしており、透明で内側の[[放射管]]がはっきりと外側から見える。最大傘径は20[[センチメートル|cm]]におよび、ヒドロ虫綱で最大。刺激を受けると[[生殖腺]]を青白く発光させる。


主に春から夏にかけて見られる。水面に浮き、殆ど動きがないが、他のクラゲや小魚などを大きな口を開けて丸呑みしてしまう。
主に春から夏にかけて見られる。水面に浮き、殆ど動きがないが、他のクラゲや小魚などを大きな口を開けて丸呑みしてしまう。

2009年7月14日 (火) 17:08時点における版

オワンクラゲ
分類
: 動物界 Animalia
: 刺胞動物門 Cnidaria
: ヒドロ虫綱 Hydrozoa
: 軟クラゲ目 Leptomedusae
: オワンクラゲ科 Aequoreidae
: オワンクラゲ属 Aequorea
: オワンクラゲ A. coerulescens
学名
Aequorea coerulescens
Brandt, 1838
和名
オワンクラゲ

オワンクラゲ(御椀海月、御碗海月)は、日本各地の沿岸で見られるヒドロ虫綱に属するクラゲ様の無脊椎動物。その傘はお碗を逆さにしたような形をしており、透明で内側の放射管がはっきりと外側から見える。最大傘径は20cmにおよび、ヒドロ虫綱で最大。刺激を受けると生殖腺を青白く発光させる。

主に春から夏にかけて見られる。水面に浮き、殆ど動きがないが、他のクラゲや小魚などを大きな口を開けて丸呑みしてしまう。

クラゲの中では比較的生命力が強く、飼育も容易であるが、餌を工夫しないと人工繁殖の成体は発光しなくなる(→参照)。

A. coerulescensA. victoria

日本沿岸でみられる本種A. coerulescensは、欧米でみられるA. victoriaよりもやや大きいとされるが、現状では別種なのか同種の亜種なのかわかっていない。今のところA. victoriaについても和名をオワンクラゲとしており、下村がGFPを発見したのもこのA. victoriaである。

学術的な利用

  • 緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein; GFP)の働きにより、刺激に反応して生殖腺を青白発光させる。同物質は、1960年代下村脩により発見された(研究の為85万匹もの大量捕獲をしたという)。GFP遺伝子は1992年平成4年)に単離され、現在、自然由来の手軽な蛍光標識として生化学の実験分野で広く用いられている。下村はこの研究により、2008年平成20年)のノーベル化学賞を受賞した。

関連項目

外部リンク