「花道」の版間の差分

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'''花道'''(はなみち)は、[[歌舞伎]]等が行われる劇場で、舞台から客席を縦断するように張り出した部分。舞台から一続きの廊下のように見える。[[役者]]が舞台上に出入りするために使い、下手(しもて=客席から向かって左側)よりにあるものを本花道、上手(かみて)よりを仮花道という。仮花道は臨時に設置されることが多く、常設の劇場はまれである。
'''花道'''(はなみち)は、[[歌舞伎]]等が行われる劇場で、舞台から客席を縦断するように張り出した部分。舞台から一続きの廊下のように見える。[[役者]]が舞台上に出入りするために使い、下手(しもて=客席から向かって左側)よりにあるものを本花道、上手(かみて)よりを仮花道という。仮花道は臨時に設置されることが多く、常設の劇場はまれである。


起源は[[能楽]]の橋懸に由来するとされる。歌舞伎では花道から登場する人物は、七三の位置(花道を十等分して舞台から三分目と四分目の間)で一旦動きを止め、短い演技(長いこともある)を見せるのが定石である。本格的な花道には七三に[[すっぽん]]と呼ばれる小型の[[せり]]があり、脚本・演出にあわせて使用される。観客から見て二次元的な存在の舞台上から、役者が客席側に出ることで三次元的な演出を可能にしている点で、演劇史上特筆すべき装置といえる。また、[[相撲]]で、[[力士]]が[[土俵]]に向かい、また控え室に戻るための道も花道という
起源は[[能楽]]の橋懸に由来するとされる。歌舞伎では花道から登場する人物は、七三の位置(花道を十等分して舞台から三分目と四分目の間)で一旦動きを止め、短い演技(長いこともある)を見せるのが定石である。本格的な花道には七三に[[すっぽん]]と呼ばれる小型の[[せり]]があり、脚本・演出にあわせて使用される。


観客から見て二次元的な存在の舞台上から、役者が客席側に出ることで三次元的な演出を可能にしている点で、演劇史上特筆すべき装置といえる。
上記から、華々しい去り際を言う言葉。ある分野で活躍した人物が、華々しく見送られるときなどに言う。


*[[相撲]]で、[[力士]]が[[土俵]]に向かい、また控え室に戻るための道も花道という。
また去り際以外にも、華々しい人生の歩み方を言うこともある。
*転じて、華々しい去り際を言う言葉。ある分野で活躍した人物が、華々しく見送られるときなどに言う。
*去り際以外にも、華々しい人生の歩み方を言うこともある。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2009年6月25日 (木) 16:27時点における版

花道上の二代目市川猿之助の弁慶

花道(はなみち)は、歌舞伎等が行われる劇場で、舞台から客席を縦断するように張り出した部分。舞台から一続きの廊下のように見える。役者が舞台上に出入りするために使い、下手(しもて=客席から向かって左側)よりにあるものを本花道、上手(かみて)よりを仮花道という。仮花道は臨時に設置されることが多く、常設の劇場はまれである。

起源は能楽の橋懸に由来するとされる。歌舞伎では花道から登場する人物は、七三の位置(花道を十等分して舞台から三分目と四分目の間)で一旦動きを止め、短い演技(長いこともある)を見せるのが定石である。本格的な花道には七三にすっぽんと呼ばれる小型のせりがあり、脚本・演出にあわせて使用される。

観客から見て二次元的な存在の舞台上から、役者が客席側に出ることで三次元的な演出を可能にしている点で、演劇史上特筆すべき装置といえる。

  • 相撲で、力士土俵に向かい、また控え室に戻るための道も花道という。
  • 転じて、華々しい去り際を言う言葉。ある分野で活躍した人物が、華々しく見送られるときなどに言う。
  • 去り際以外にも、華々しい人生の歩み方を言うこともある。

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