「プラダー・ウィリー症候群」の版間の差分
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2008年1月2日 (水) 05:50時点における版
プラダー・ウィリー症候群(ぷらだー・うぃりーしょうこうぐん、Prader-Willi syndrome、PWS)は、筋緊張低下、性腺発育不全、性格異常、肥満を四徴とする症候群。四徴の頭文字をとってHHHO症候群とも。
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プラダー・ウィリー症候群のデータ | |
ICD-10 | Q87.1 |
統計 | 出典:WHO |
世界の患者数 | |
日本の患者数 | |
学会 | |
日本 | |
世界 | |
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原因
15番染色体q11-q12の父親由来が欠損するか、または母親由来が刷り込み(ゲノムインプリンティング)ダイソミーによっておきる遺伝病。患者では染色体 15q11-q12 が欠損してることが知られており、この領域に遺伝子座をもつ necdin (NDN) 遺伝子が原因遺伝子ではないかと考えられている。NDN 遺伝子は遺伝子刷り込みにより父親由来のもののみが発現する。NDN タンパク質は p53 タンパク質に結合し、そのアポトーシス誘導能を抑制する機能がある。また細胞周期を制御する E2F1 遺伝子とも結合することが報告されている。その他、様々な機能を持つことが示唆されており、これらの機能が欠損することにより、この症候群を引き起こしていると考えられている。
病態
肥満は視床下部の満腹中枢の障害もその原因の一つと考えられている。しかし、もし満腹中枢だけの問題であれば乳児期から全例肥満になるはずであるが、実際には肥満ではさほど困っていない成人もいる。肥満も行動の問題の一つと考える説もある。
症状
新生児期は筋緊張低下、哺乳不良を呈する。多くは経管栄養を経験する。筋緊張低下のため運動発達遅滞がある。
嘔吐しない、唾液が少ないなどの特徴がある。前者は胃腸炎の発見が遅れる場合があり、後者は虫歯になりやすいので歯科衛生に気をつける。温痛覚が弱いために、夏に発汗が少なく熱射病になりやすい人がいる。痛みは感じにくいが痒みは強いとされる。
性器の成長不全(特に男児)、知的障害があり、対人関係面の問題や、満腹感を感じにくいことによる肥満が4徴とされ、さらに小さな手足などの症状が見られる。
歴史
発見
1956年にスイスのアンドレア・プラダー、ハインリッヒ・ウィリー、アレクシス・ラプハルト、グイド・ファンコーニによって発見された。
外部リンク
- Prader-Willi Syndrome Association: USA NZ UK South Africa International Prader-Willi Syndrome Organization