「連動装置」の版間の差分

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2007年10月20日 (土) 15:21時点における版

連動装置(れんどうそうち)とは、停車場内において、転てつ器信号機に一定の連鎖関係を持たせる装置のことを言う。転てつ器や信号機の操作に一定の順序を持たせ、誤った操作を行おうとしてもできないようにしている。また単に誤りを防止するだけでなく、分岐器や信号の操作を簡略化する機能も付加されていて、現在はこの機能がついていないものはほとんどない。

この簡略化する機能は、進入・進出する線路と向きをスイッチで指定すれば、安全上問題なく進路を構成できるかを自動的に判定し、問題がなければポイントと信号を自動で切り替える。この機能が付加された連動装置では、個々の分岐器や信号機を切り替える必要はない。

概要

連動装置は、扱い者が「てこ」と呼ばれるスイッチと「押しボタン」スイッチを扱うことにより、転てつ機を転換し、或いは進路上に他の列車や車両が存在しないことを照査して、信号機に進行を指示する現示を表示する。

連動装置の形式にかかわらず、連動装置には1種、2種が存在する。1種は全ての装置を信号扱い所から操作できるもの、2種は転てつ機などが現場扱いとなっているものを指す。

なお、単線区間で列車の運転方向を決定する「方向てこ」は、連動装置内に組み込まれているが、分類上は閉そく装置である。

安全確保のための論理

誤った操作ができないようにするために、連鎖・鎖錠という仕組みがある。

連鎖

最も基本的な安全確保のための論理であり、分岐器の開通方向と信号の現示を絶対に同期させる仕組みである。

  • 信号を停止現示以外にするには、その信号が進入の可否を保障するルート上にある、全ての分岐器が正しく切り換っていなければならない。全ての分岐器を正しく切り替えると、信号を停止現示以外に変更できるように信号のロックが解除される。
  • 分岐器を切り替えるには、その分岐器を通るルートへの進入の可否を示す、全ての信号が停止現示になっていなければならない。分岐器へ進入するルートの全ての信号機を停止現示に切り替えると、分岐器のロックが解除される。

鎖錠

轍叉(てっさ)鎖錠

転てつ器を転換するには、その転てつ器を含む軌道回路(いわゆる所定の一定区間)に列車が在線していない必要がある。列車が転てつ器のを含む所定の区間に在線している場合は転てつ器を鎖錠(ロック)する。

接近鎖錠

場内信号機や通過列車がある場合の出発信号機が進行に一旦進行を現示した後、列車がその信号機の外方(手前)一定区間(接近区間)に進入または進入しているとき、信号機を急に停止現示にしても列車が止まれ切れず信号機内方(信号機の先の区間)へ進入する恐れがある。このとき信号機が停止を現示しているが、だからといってすぐに進路上の(信号機の先の)転てつ器の鎖錠が解錠され、転換できる状態になるのは危険である。このため接近区間に列車が在るとき、信号機を停止現示にしても一定時分経過するまでは転てつ器を鎖錠する。この鎖錠は、列車がその信号機の内方に進入するか、その信号機に停止信号を現示させてから一定時間後に解除される。

保留鎖錠

接近鎖錠と同じような使われ方をするが、こちらは列車の位置に関係なく、進行を指示する現示から停止現示にすると常に一定時分経過するまで転てつ器を鎖錠する。出発信号機の現示を急に停止にしたが、すでに発車してしまった列車が止まりきれずに信号機の先(内方)に入ってしまうという事態に対応するための機能である。

表示鎖錠

接近鎖錠、保留鎖錠共に信号機を停止現示にしてから一定時分経過後(接近鎖錠は接近区間に列車が在るとき)解錠するものであるが、万一何らかの故障で停止現示への制御を掛けたにも関わらず、信号機自体が停止現示になっていない状態すなわち、進行を指示する現示のままであった場合に解錠されていくのは列車に対し危険である。このため信号機が停止現示にならないときは、鎖錠したままにする。解錠には信号機の停止現示の表示を照査している。

片鎖錠

駅からの出発の可否を示す出発信号が停止現示を示している番線に進入する場合で、その出発信号機を過走すると他の列車の進路を支障する恐れがある場合は、その番線への進入の可否を示す場内信号機をロックして、最徐行(警戒現示)での進入許可だけを許可するようにする。最徐行での進入許可を表示できない(通常の進入許可しか表示できない)場内信号機の場合は、進入許可を表示できないようにする。

例:単線区間の安全側線がない行き違い駅で同時進入する場合には、場内信号機に警戒を現示する。

論理機構の仕組みと方法

鎖錠を持たせる原理は、転てつリーバとワイヤー、鎖錠桿などで構成される機械連動装置、リレーにより電気的に連鎖を行う継電連動装置や、コンピュータを用いて行う電子連動装置等がある。この装置により、分岐器の開通方向と信号の現示は絶対に同期している。

機械連動 in Deval Tower, Des Plaines, Illinois circa 1994

連鎖の方法

  • 機械連動機
  • 電気連動機
  • 継電連動装置
  • 電子連動装置

連動装置の種類

  • 第1種連動装置:信号機や入標と、てこを集中した転てつ器との連鎖を第1種連動装置で行うもの
  • 第2種連動装置:信号機や入標と、現場扱いの転てつ器との連鎖を現場の電気鎖錠器や電磁転てつ鎖錠器でおこなうもの
  • 第3種連動装置:第1種・第2種連動装置以外の連動装置

具体例

  • 第1種電子連動装置
  • 第2種電子連動装置
  • 第1種継電連動装置
  • 第2種継電連動装置
  • 第1種電気連動装置
  • 第1種機械連動装置
  • 第2種機械連動装置

関連項目