「フルボ酸」の版間の差分

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'''フルボ酸'''(フルボさんとは、植物などが微生物により分解される最終生成物である[[腐植物質]]のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸。土壌や天然水中に広く分布している。
'''フルボ酸'''(フルボさん, fulvic acid)とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である[[腐植物質]]のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸。土壌や天然水中に広く分布している。

土壌からの抽出では、[[アルカリ]]または弱酸のアルカリ塩で[[フミン酸]]と共に抽出後、酸を加えてフミン酸を沈殿させて分離する。精製の困難さのため、[[フミン酸]]に比べて研究は少ない。
土壌からの抽出では、[[アルカリ]]または弱酸のアルカリ塩で[[フミン酸]](腐植酸)と共に抽出後、酸を加えてフミン酸を沈殿させて分離する。精製の困難さのため、[[フミン酸]]に比べて研究は少ない。


== 構造 ==
== 構造 ==
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== 化学成分 ==
== 化学成分 ==
市販されている「フルボ酸」を謳うサプリメント類の多くは、フルボ酸を含有するだけの粗生成物であり、多糖、フェノール性物質、たん白質などの非腐植物質を多く含有すると推定される。
市販されている「フルボ酸」を謳うサプリメント類の多くは、フルボ酸を含有するだけの粗生成物であり、多糖、フェノール性物質、たん白質などの非腐植物質を多く含有すると推定される。

フルボ酸の[[E4/E6比]](便宜上、400nmにおける吸光度と600nmにおける吸光度の比)はフミン酸より高い。
フルボ酸の[[E4/E6比]](400nmにおける吸光度と600nmにおける吸光度の比)はフミン酸より高い。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2007年9月29日 (土) 19:07時点における版

フルボ酸(フルボさん, fulvic acid)とは、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸。土壌や天然水中に広く分布している。

土壌からの抽出では、アルカリまたは弱酸のアルカリ塩でフミン酸(腐植酸)と共に抽出後、酸を加えてフミン酸を沈殿させて分離する。精製の困難さのため、フミン酸に比べて研究は少ない。

構造

フミン酸同様に、化学構造がただ一つ決まった分子ではなく、その分子内にカルボキシル基、フェノール性水酸基を多く含んだ多価有機酸である。土壌由来のフルボ酸の例では、炭素を35~42%、水素を3~6%、窒素を約1%、硫黄を約0.3~0.7%(それぞれ重量%)含有する。また、地下水由来のフルボ酸ではフェノール性水酸基をほとんど含まないとの報告もなされている。

化学成分

市販されている「フルボ酸」を謳うサプリメント類の多くは、フルボ酸を含有するだけの粗生成物であり、多糖、フェノール性物質、たん白質などの非腐植物質を多く含有すると推定される。

フルボ酸のE4/E6比(400nmにおける吸光度と600nmにおける吸光度の比)はフミン酸より高い。

関連項目

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