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2007年6月9日 (土) 11:20時点における版
残響(ざんきょう)とは、音源が発音を停止した後も音が響いて聞こえる現象である。英語では Reverberation (リバーブレーション)。
残響はどんな場所でも必ず生じている。普段は全く意識しないが、残響を限界まで小さくした無響室に入ると残響が全くないため大きな違和感を覚える。もっとも、残響を意識しない能力は後天的に身につくものらしく、新生児は直接音と反射音を区別できず、世界を「残響のシャワー」のように知覚している可能性が実験によって指摘されている。
反響をこれと勘違いしている人も多い。厳密に言うと原理的には残響も反響と同じであり、反響が連続的、また繰り返し生じた結果が残響である。
劇場や音楽ホールを設計する際には、残響時間は大きな考慮点になる。
残響の構造
室内における残響はつぎの 2 つの部分からなりたっているといわれている (下図参照)[1]。
- 初期反射 (early reflection) - 室内では,直接音がきこえたあと数 ms から 100 ms くらいのあいだに、条件によっては、壁、天井、床などからの数 10 個の反射を他の音から分離してきくことができる。これが初期反射である。部屋の形状が直方体であれば 1 回反射は 6 個だけだが、より複雑な形状または家具などがある部屋においては反射音の数がふえ、また壁などで複数回反射した音もきこえる。初期反射は直接音とまとめてひとつのながれの音として認知されるという[2]。
- 後期残響 (late reverberation) - 直接音がきこえてから 150 ms 以上すぎたころには、音は多数回反射し、反射音の数もふえているため、もはや個々の音をくべつしてきくことはできない。また,音は等角反射するだけでなく壁・天井などで散乱されるため、残響の構造はさらに複雑になる。これらによって構成されるのが後期残響である。このような後期の残響は、方向・位相がランダムで指数関数的に減衰する音によってをモデル化される。後期残響は直接音とはことなるながれの音として認知されるという[3]。
後期残響が直接音に対して 60 dB 減衰するまでの時間を残響時間という。残響時間は家庭などの小さな部屋では 0.5 秒程度,音楽用ホールでは数秒程度である。
リバーブの実装方法
参考文献
- ^ Gardner, W. G., “The Virtual Acoustic Room”, Masters Thesis, MIT, 1994.
- ^ Griesinger, D., "The Theory and Practice of Perceptual Modeling -- How to use Electronic Reverberation to Add Depth and Envelopment Without Reducing Clarity", Tonmeister Conference in Hannover, 2000.
- ^ Griesinger, D., "The Theory and Practice of Perceptual Modeling -- How to use Electronic Reverberation to Add Depth and Envelopment Without Reducing Clarity", Tonmeister Conference in Hannover, 2000.