浮文字新人賞

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浮文字新人賞
各種表記
繁体字 浮文字新人獎
簡体字 浮文字新人奖
拼音 Fúwénzì Xīnrénjiăng
注音符号 ㄈㄨˊ ㄨㄣˊ ㄗˋ ㄒ|ㄣ ㄖㄣˊ ㄐ|ㄤˇ
発音: フーウェンヅ シンレンジャン
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浮文字新人賞(ふもじ-しんじんしょう[1])は、かつて台湾尖端出版が主催していたライトノベルおよびBL小説の新人賞。

概要[編集]

台湾で“文学少女”シリーズ戯言シリーズ狂乱家族日記シリーズなどを刊行している尖端出版のライトノベルレーベル「浮文字」(Fúwénzì)の名を冠した、ライトノベルおよびBL小説の新人賞。

第1回および第2回は、尖端出版が発行していた文芸誌『浮文誌』(Fúwénzhì)誌上で浮文誌新人賞という名称で行われた。2009年10月の第3回募集開始時に、名称が浮文字新人賞と改められ、募集内容も一新された。

第7回をもって終了し、「尖端原創小說大賞」に引き継がれることとなった[2]

浮文誌新人賞(第1回、第2回)[編集]

浮文誌新人賞は、尖端出版が2006年2月から2007年8月にかけて全5号刊行した文芸誌『浮文誌』(日本の文芸誌『ファウスト』の台湾版)誌上で募集していた短編小説の新人賞。第2回の結果発表の際にはすでに『浮文誌』の刊行が中断されており、結果は尖端出版の公式サイトで発表された[3]

浮文字新人賞(第3回以降)[編集]

浮文字新人賞は、2009年10月、第2回まで行われた浮文誌新人賞の回数表記を引き継ぐかたちで「第3回」から募集が開始された。賞のイメージイラストは、台湾のイラストレーター・Izumi[4]が描いている。賞の名称変更にともなって、募集内容や審査方法などが大幅に変更された。

主な変更点
  • 短編小説の募集から、長編ライトノベル・長編BL小説の募集へと変更された。
  • 応募者を1970年以降に生まれた者に限るという年齢制限が撤廃された。

応募規定[編集]

ライトノベル部門(軽小説部門)とBL小説部門(藍月BL小説部門[5])があり、それぞれ未発表の長編作品を募集する。賞金は、ライトノベル部門では金賞(1名)が30万元(約85万円)、銀賞(1名)が15万元、銅賞(数名)が5万元。BL小説部門では、金賞(1名)が20万元(約56万円)、銀賞(1名)が10万元、銅賞(数名)が3万元。なお、BL小説部門のみ、応募者を満18歳以上に限るという年齢制限がある。金賞・銀賞の作品は書籍として刊行され、その際、表紙イラストは日本のイラストレーターに依頼される。

募集及び審査は2段階に分かれている。1次選考では、作品の概要(800~1000字)と第1章、第2章(約10000字)のみを募集する。応募者のうち15名を最終選考進出者として選出し、公式サイトで発表する。また同時に、公式サイト上での試し読みと人気投票を開始する。

最終選考進出者として選ばれた15名は、半年の期間内に作品の全体(8万~12万字)を尖端出版に送付する。

浮文字新人賞受賞作一覧[編集]

第3回[編集]

締め切りは2010年1月4日。ライトノベル部門には329作品、BL小説部門には74作品の応募があった。台湾以外にも、香港マカオ中国(大陸地区)、マレーシア日本カナダニュージーランドからの応募があった。

  • ライトノベル部門
    • 金賞 - 非瓴『龍騎兵的防禦工事』(2011年6月、イラスト:兎塚エイジ
    • 銀賞 - IROYI.h『鴉之聲』(2011年6月、イラスト:せんむ
  • BL小説部門
    • 金賞 - 觀止(観止)『賭牌・迷信愛情』(2011年6月、イラスト:大和名瀬
    • 銀賞 - 白芸(WHITE)『初戀櫻時 〜First Love〜』(2011年6月、イラスト:タカツキノボル
    • 佳作 - SLOTH『光纖與大叔』(2011年6月、イラスト:Leila[要曖昧さ回避]

脚注[編集]

  1. ^ 読みは便宜的なもの。日本の文芸誌『ファウスト』などでも、公式な日本での読み方は示されていない。
  2. ^ 尖端出版「第七屆浮文字新人獎」六部新刊上市” (中国語). ETtoday新聞雲 (2015年6月23日). 2021年11月10日閲覧。
  3. ^ 尖端出版 2008年浮文誌新人奨(中国語)
  4. ^ Izumiは台湾のイラストレーター。第1回台湾角川イラスト大賞の銅賞受賞者。同ライトノベル大賞の大賞受賞作や、日日日『ピーターパン・エンドロール』の台湾版のイラストなどを手掛けている。
  5. ^ 「MoonBleu」または「藍月」は、尖端出版がBL小説を刊行する際のレーベル名。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]