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広鼻小目

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広鼻小目
ブラウンケナガクモザル Ateles hybridus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
亜目 : 直鼻亜目 Haplorhini
下目 : 真猿型下目 Simiiformes
小目 : 広鼻小目 Platyrrhini
学名
Platyrrhini É. Geoffroy, 1812[1]
和名
広鼻小目[2]

広鼻小目(こうびしょうもく、Platyrrhini)は、霊長目に分類される小目。別名広鼻猿広鼻類新世界ザル[1]

形態

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左右の鼻孔が、やや離れて位置する[1]。学名は古代ギリシャ語で「広い鼻(platy=広い・rhis=鼻)」を指す語に由来し、和名の「広鼻」もこれに由来する[1]

旧世界ザルとの平行進化および起源

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アジアやアフリカにすむ狭鼻小目(旧世界ザル)とは独立して進化したが、両者には社会構造や習性などに共通点が見られる。これは平行進化によるものである。たとえば、旧世界ザルのコロブスと、新世界ザルのクモザルは、ともに前肢の親指が退化してしまっている。旧世界ザルのフクロテナガザルと新世界ザルのホエザルは、発声器官が発達し、非常に大きな声を発する。さらに、旧世界ザルのチンパンジー・ヒトと、新世界ザルのオマキザルは、知能がたいへん発達しており、道具を使用する。以上のように、多くの平行進化の例が、旧世界ザルと新世界ザルの間で見られる[要出典]

新世界ザルは中新世にはアジア・アフリカに住む旧世界ザルとは既に分岐していた。この時代の南米大陸は海によって周囲から隔絶された島大陸であった。そのため新世界ザルの祖先は海を経由して他の大陸から南米に渡ってきたと考えられる。小型のサル類ならば流木等に乗って漂着できた可能性も高いためである。当時、北米大陸においてはサル類が既に絶滅していた。そのため南米の新世界ザルの祖先はアフリカ大陸から大西洋経由で南米大陸に渡って来たとの説が有力である(アフリカ大陸と南米大陸は当時は既に分裂していたが、両大陸間の大西洋は現在よりは狭く距離は近かった)[3]

旧世界ザルと新世界ザルとが分岐したのは3000-4000万年前と言われている[4][5]

ヨザルは1色型色覚でありホエザルは狭鼻小目と同様に3色型色覚を再獲得している[4][6]とされている。他方、ホエザルは一様な3色型色覚ではなく、高度な色覚多型であるとの指摘もある[7]。これらのヨザル、ホエザルを除き残りの新世界ザルはヘテロ接合体のX染色体を2本持つメスのみが3色型色覚を有し、オスは全て2色型色覚である。これは狭鼻小目のようなX染色体上での相同組換えによる遺伝子重複の変異を起こさなかったためである[4][5]

分類

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以前は真猿亜目Anthropoideaの、広鼻下目とされていた[1]

以下の分類・和名は、日本モンキーセンター(2018)に従う[2]。以下の分類ではマーモセット科とヨザル科をオマキザル科に含めているが[8]、これらの科を独立させる分類もある[9]

出典

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  1. ^ a b c d e 岩本光雄「サルの分類名(その5:オマキザル科)」『霊長類研究』第4巻第1号、日本霊長類学会、1988年、83-93頁、CRID 1390282680143673088doi:10.2354/psj.4.83ISSN 0912-4047 
  2. ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2021年8月5日閲覧)
  3. ^ 高井正成「広鼻猿類の進化と系統分類の現状」『Anthropological Science』第103巻第5号、一班社団法人 日本人類学会、1995年、429-446頁、CRID 1390282679287756288doi:10.1537/ase.103.429ISSN 09187960 
  4. ^ a b c 三上章允、「霊長類の色覚と進化 (PDF) 」 2004年9月18日。 京都大学霊長類研究所 東京公開講座「遺伝子から社会まで」のレジュメ
  5. ^ a b Surridge, A. K., and D. Osorio (2003). “Evolution and selection of trichromatic vision in primates”. Trends in Ecol. And Evol. 18 (4): 198–205. doi:10.1016/S0169-5347(03)00012-0. 
  6. ^ 河村正二「新世界ザルRed-Green視物質遺伝子と色覚の進化」『霊長類研究』第16巻第2号、日本霊長類学会、2000年、111-124頁、CRID 1390001205166663040doi:10.2354/psj.16.111ISSN 09124047 
  7. ^ 松下裕香, 太田博樹, WELKER Barbara ほか、「恒常的3色型色覚とされてきたホエザル属における種内L-Mオプシン多型の発見」『霊長類研究 Supplement』 第27回日本霊長類学会大会、セッションID: B-7、2011, doi:10.14907/primate.27.0.36.0, 日本霊長類学会
  8. ^ Connor J. Burgin, Jocelyn P. Colella, Philip L. Kahn, Nathan S. Upham (2018), How many species of mammals are there?, Journal of Mammalogy, Volume 99, Issue 1, American Society of Mammalogists, Pages 1 - 14, doi:10.1093/jmammal/gyx147
  9. ^ Connor J. Burgin, Jane Widness & Nathan S. Upham (2020). “Introduction”. In: Connor J. Burgin, Don E. Wilson, Russell A. Mittermeier, Anthony B. Rylands, Thomas E. Lacher & Wes Sechrest (eds.). Illustrated Checklist of the Mammals of the World. Volume 1. Lynx Edicions. Pages 23 - 40.

関連項目

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