守房
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来歴
[編集]ニューオータニ美術館所蔵の「落し文図」(絹本着色)に「守房」の落款と「守房之印」の白文方印があることから、この絵の作者とされている。「落し文図」は懐手をして歩く女とその傍らに結び文のある様子を描き、「文みても もの思ふ身とそ なりにける さののつきはし とたえのみして」という和歌を散らし書きにした肉筆美人画である。「守房」の出自や経歴については一切不明であるが、『肉筆浮世絵大観』はこの「落し文図」について、その描写から素人の余技によるものではなく、女の髪型などから享保の頃の作であるとし、また画風は宮川長亀の美人画に通うものがあるので、この絵の作者は「宮川派にやや近い位置にあった専門の画人」だったのではないかと推測している。
参考文献
[編集]- ニューオータニ美術館編 『幻の浮世絵美人たち -大谷コレクション肉筆浮世絵-』 ニューオータニ美術館、1991年 ※140頁
- 小林忠編 『肉筆浮世絵大観(8) ニューオータニ美術館』 講談社、1995年 ※242 - 245頁