地理学の第一法則
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地理学の第一法則(ちりがくのだいいちほうそく、英語: first law of geography)とは、ワルド・トブラーにより1970年に提唱された概念である[1]。この概念は空間的依存性を指摘したもので、トブラーは、全てのものは他の全てのものと関係性を持つが、距離がより近いもの同士ではより関係性が密接であることを指摘している[2]。これは空間的自己相関を定性的に説明したものといえる[3]。
評価
[編集]発表後20年ほどはあまり関心が向けられなかったが、地理情報システムの普及により再び取りあげられるようになってきた[4]。
2004年にAnnals of the Association of American Geographersで地理学の第一法則を検証する特集[注釈 1]が組まれている[5]。
原著論文
[編集]- Tobler, W. 1970 A Computer Movie Simulating Urban Growth in the Detroit Region. Economic Geography, 46: 234–240. doi:10.2307/143141
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ Sui, D. Z. (2004). “Tobler’s first law of geography: A big idea for a small world?”. Annals of the Association of American Geographers 94 (2): 269-277. doi:10.1111/j.1467-8306.2004.09402003.x.
出典
[編集]参考文献
[編集]- 田中和子 著「距離」、人文地理学会 編『人文地理学事典』丸善出版、2013年、96-97頁。ISBN 978-4-621-08687-2。
- 張貴民「地理学第三法則「地理的類似性」の内容およびその考察」『愛媛大学教育学部紀要』第67巻、2020年、177-185頁、NAID 120006896447。
- 堤盛人 著「空間的自己相関」、貞広幸雄、山田育穂、石井儀光 編『空間解析入門―都市を測る・都市がわかる―』朝倉書店、2018年、51-58頁。ISBN 978-4-254-16356-8。
- 二村太郎「P. グールド・ F. ピッツ編,杉浦芳夫監訳:地理学者の声―アメリカ地理学者の自伝エッセイ集―」『地理学評論』第82巻第5号、2009年、495-498頁、doi:10.4157/grj.82.495。