マタディ橋
表示
マタディ橋 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | コンゴ民主共和国 |
所在地 | マタディ |
交差物件 | コンゴ川 |
用途 | 鉄道道路併用橋 |
施工者 |
石川島播磨重工業(現IHI)主導のコンソーシアム バナナ・キンシャサ交通公団 |
着工 | 1979年 |
開通 | 1983年 |
座標 | 南緯5度49分28秒 東経13度26分02秒 / 南緯5.824466度 東経13.433865度座標: 南緯5度49分28秒 東経13度26分02秒 / 南緯5.824466度 東経13.433865度 |
構造諸元 | |
形式 | 吊橋 |
材料 | 鋼 |
全長 | 722メートル |
最大支間長 | 520メートル |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
マタディ橋(マタディきょう、フランス語: Pont Matadi)は、コンゴ民主共和国を流れる大河コンゴ川対岸を結ぶ唯一の橋。
1979年2月着工、1983年4月完成、同年5月開通。全長 722 m(2車線)、主径間520mの吊橋。
建設
[編集]1974年、コンゴ政府と日本政府間で借款契約が調印された当初は、鉄道輸送力増強計画として鉄道と橋の建設が計画されていた。オイルショック等の経済情勢の急変により、橋のみの建設となった[1]。 1979年、石川島播磨重工業(現IHI)が主導する日本企業のコンソーシアムによって着工し、コンゴ側はバナナ・キンシャサ交通公団(Organisation pour l’équipement de Banana-Kinshasa: OEBK)が事業にあたった[2]。張出径間付単径間吊橋方式、道路鉄道併用線(単線)、主径間520m、13,100トンの鋼材で建設された[3]。
当時建設中であった本州四国連絡橋(1975年着工、1999年完工)の完成に向けて蓄積されていた設計・施工技術が活用された[4]。 1983年、当初契約工期を14カ月短縮し完成した[2]。
維持管理
[編集]1990年代からの紛争中も数々の困難のなかも、OEBK職員の定期的な点検と補修により維持された[2]。 2012年に日本からの援助が再開し、メインケーブルの防食対策として本州四国連絡橋公団で開発されたケーブル乾燥空気送気システムを導入するなど、マタディ橋の長寿命化と高度な最新の維持管理が続いている。2023年5月に完成40周年を迎えた[5]。
受賞
[編集]参考文献
[編集]- マタディ橋を考える会(Les Amis du Pont de Matadi)『マタディ橋ものがたり 日本の技術でつくられ、コンゴ人に守られる吊橋』佐伯印刷株式会社出版事業部、2021
脚注
[編集]- ^ 阪本公美子, 岡野内正 編『日本の国際協力 中東・アフリカ編:貧困と紛争にどう向き合うか』ミネルヴァ書房、2021年8月20日。
- ^ a b c マタディ橋を考える会『マタディ橋ものがたり』佐伯印刷株式会社出版事業部、2021年。
- ^ 富樫 凱一 (1988). “わが国における長径間吊橋の計画に関する研究”. 土木学会論文集 1988.
- ^ 島田 亜弥 (2017). “コンゴ民主共和国の交通インフラ分野における日本の協力”. コンクリート工学 55.
- ^ “土木学会インフラメンテナンス プロジェクト賞 表彰式 コンゴ民主共和国 マタディ橋保全計画及び維持管理能力向上プロジェクト”. OC Global. 2024年1月10日閲覧。
- ^ “田中賞”. 公益社団法人土木学会. 2024年1月10日閲覧。
- ^ “2022年度 インフラメンテナンス賞の発表”. インフラメンテナンス総合委員会. 2024年1月10日閲覧。