ホイール (コンピュータ)
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ホイール(Wheel)とはUNIX OSでwheelビットを有効にしたユーザーアカウントであり、ユーザーアカウントでは通常アクセスできない特権コマンドを実行できるシステム権限を与えるシステムの設定[1][2]。
起源
[編集]ホイールという用語は、 TENEX OSで初めてコンピューターユーザーの特権レベルに適用されたもので、TENEXは1960年代から1970年代初頭にTOPS-20としてリリースされた[2][3]。この用語は組織内などで大きな権力を持つ人物を示すスラングのビッグホイールに由来する[1]。
1980年代になるとOSの開発者やユーザーがTENEX/TOPS-20からUNIXに移行したため、この用語はUNIXの文化に取り込まれた[2]。
ホイールグループ
[編集]初期のUNIXを除き、アクセス特権を制御するセキュリティプロトコルとしてユーザーグループが一般に使われている。ホイールグループは一部のUNIXシステム、主にBSDシステム[4]で使用される特別なユーザーグループであり、su[5][6]やsudoコマンドなど、ユーザーがユーザーが別のユーザー(通常はスーパーユーザー)になりすませる[1][2][7]。Debian系のOSはホイールグループと同様の目的のためにsudo
というユーザーグループを作成する[4]。
ホイール戦争
[編集]ホイール戦争という言葉はスタンフォード大学[8]で生まれ、1983年のジャーゴンファイル[8]で初めて文献に登場した。「ホイール戦争」とは不用意に管理者権限を持った未熟な大学生のユーザーがマルチユーザーに対応したシステム上でお互いに相手のユーザーをロックし合うことで、他のユーザーにも予期せぬ影響を及ぼすことがあった[9]。
参考文献
[編集]- ^ a b c “Wheel”. Jargon File 4.4.7. Eric S. Raymond. 2017年4月22日閲覧。
- ^ a b c d “Wheel bit”. Jargon File 4.4.7. Eric S. Raymond. 2017年4月22日閲覧。
- ^ “TWENEX”. Jargon File 4.4.7. Eric S. Raymond. 2008年9月12日閲覧。
- ^ a b https://unix.stackexchange.com/questions/4460/why-is-debian-not-creating-the-wheel-group-by-default
- ^ “su(1) - OpenBSD manual pages”. man.openbsd.org. 2018年5月5日閲覧。
- ^ “su”. www.freebsd.org. 2018年5月5日閲覧。
- ^ Levi, Bozidar (2002). UNIX Administration: A Comprehensive Sourcebook for Effective Systems and Network Management. CRC Press. p. 207. ISBN 0-8493-1351-1
- ^ a b Raymond. “Jargon File”. Jargon File 2.1.1. Eric S. Raymond. 2016年8月15日閲覧。
- ^ Steele. “Jargon File”. Jargon File 1.5.0. 2016年8月15日閲覧。