ブラッセレータ
表示
ブラッセレータ(英: Brusselator)は、自触媒反応を含む理論的な化学反応モデルである。 ブリュッセル自由大学において、イリヤ・プリゴジンとその共同研究者らによって提案された [1]。「ブラッセレータ」という名称はブリュッセルとオシレータのかばん語である。
概要
[編集]ブラッセレータを構成する化学反応は以下のとおりである[2]。
物質A, Bの濃度を一定とするとき、物質X, Yの濃度の時間変化は次のように記述される。
をもつ。この不動点は
を満たすとき不安定であり、系は振動を始める。ロトカ・ヴォルテラの方程式と違ってブラッセレータの振動は初期状態における物質X, Yの濃度によらない。その代わり、 十分な時間が経過すると系はリミットサイクルへ漸近する[3]。
ブラッセレータのよく知られた例は、時計反応の一種のベロウソフ・ジャボチンスキー反応(BZ反応)である。これは臭素酸カリウム(KBrO3)、 マロン酸(CH2(COOH)2)、硫酸マンガン(MnSO4)の混合物を硫酸(H2SO4)の加熱溶液で調製することで得られる [4]。
脚注
[編集]- ^ “IDEA - Internet Differential Equations Activities”. ワシントン州立大学. 2017年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月16日閲覧。
- ^ I. Prigogine and R. Lefever. Symmetry Breaking Instabilities in Dissipative Systems. II. The Journal of Chemical Physics, Vol. 48, No. 4, pp. 1695–1700, 02 1968.
- ^ http://www.bibliotecapleyades.net/archivos_pdf/brusselator.pdf Dynamics of the Brusselator
- ^ BZ reaction Archived December 31, 2012, at the Wayback Machine.