ヒーダボー

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ヒーダボー (Hedebo)とは、デンマークコペンハーゲン南西の地域ヒーダボーで作られた、ホワイトワークの数種類の技法の総称である。この項では、デンマークにおいて発展したホワイトワークであるヒーダボーについて述べる。

歴史[編集]

18世紀中ごろにデンマークのヒーダボーで生まれ、19世紀終わりにかけて作成され、デンマークを代表する技法として、広く知られるようになった。ヒーダボー地域での製作が衰退した後、20世紀になって、王立芸大の教授が中心となり、ヒーダボーワーク振興会が設立された。近代になり、新しいデザインも作成されている。[1]

特徴[編集]

土台の布の一部を抜いてすかし模様を作る技法で、手の込んだ精緻な仕事を、しっかりとした土台布に、比較的太い糸で施す。ルネッサンスの影響を強くうけた模様であり、幾何学的模様、対称的な人物像・動物像・植物模様などが多く用いられる。[1]

時代により様々なテクニックが使われており、ドロンワークカットワークニードルレースの技法が組み合わされている。ヒーダボーリングはヒーダボーレースの特徴であり、ヒーダボースティックを用いて作成される。[1]

種類[編集]

技法は年代により変化している[1]

  • カウントワーク(Count Thread Work):Tallesyning (1780~1840年代)
  • ヒーダボードロンワーク (Drawn Thread Work):Dragværy (1800~1830年代)
  • スクエアカットワーク (Square Cut Work):Rudesyning (1810~1830年代)
  • マスク(チェーン)ワーク (Mask Work):Masksyning (1830~1850年代)
  • バリュデュリング (Drawn Thread Work):Baldyring (1840~1855年代)
  • カットヒーダボー (Cut Hedebo):Vdklps Hedbo (1855~1870年代)
  • ヒーダボーレース (Needle Lace):Hedebo Blonde (1800年代中期)
  • リング付きヒーダボーレース (Needle Lace with Ring):Hedebo Blonde (1850~1870年代)

脚注欄[編集]

  1. ^ a b c d ユキ・パリス 『デンマークのホワイトワーク ヒーダボー』文化出版局、2003年

参考文献[編集]

関連項目[編集]