トロワのサウィナ

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トロワの聖サウィナ
生誕 不明
サモス
死没 275年8月29日
トレカス近郊
崇敬する教派 正教
カトリック教会
記念日 8月29日
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トロワのサウィナ: Saint Savina of Troyes: Sabina、? - 275年8月29日[1])はフランス殉教者、正教会・カトリック教会の聖人である。サビナとも表記される[2]。記念日は8月29日[1]。 しばしばローマのサビナと混同される[注 1][4]トロワのサウィニアヌス(サビニアヌス、: Saint Savinianus of Troyes: Sabinianus)の妹であり、兄妹聖人として知られる[4][1]

生涯[編集]

サモス[注 2]の出身で、アウレリアヌス帝統治下[注 3]で殉教したとされる[4]

黄金伝説』によると、兄のサウィニアヌス[注 4]が戻らないので泣き暮らしていると天使が現れ、旅に出れば兄に会えると告げられた為に侍女の乳姉妹と旅に出た。 サウィナはローマにたどり着くとエウセビウスから受洗した。ローマで5年暮らし、目が見えない人を2人と足が萎えた人を2人治した。 夢の中で天使から、トレカス[注 5]の町に行くよう告げられ、侍女と再び旅に出た。旅の途中では、ラヴェンナで裕福な夫人の娘の息を吹き返させた。 トレカスの手前1マイルにおいて、サウィナはリケリウスという貴族からサウィニアヌスの殉教を知らされると、これまでの感謝と兄との天国での再会を主に祈り、サウィナの魂は天に上った[2]。 彼女はトレカスに埋葬されたと伝えられている[9]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ローマのサビナ(Sabina, Roma)とトロワのサウィナ(Savina, Troyes)は同じ記念日であり、サウィナ(Savina)はサビナ(Sabina)と表記される場合が多い[3]
  2. ^ サモス島サモス。カリア地方[5]
  3. ^ "Troyes"の項に、"St. Savina, martyred under Diocletian"とあり、ディオクレティアヌス統治下とも[6]。但し、ミランのサヴィナもディオクレティアヌス統治下で殉教している[7]
  4. ^ 殉教聖人。270年1月24日に殉教[8]
  5. ^ トロワの古名[4]

出典[編集]

  1. ^ a b c CatholicSaints.Info より。
  2. ^ a b 黄金伝説, p 372-379, 「一二二 聖サウィニアヌスと聖女サウィナ」
  3. ^ 黄金伝説, p 377-378
  4. ^ a b c d 黄金伝説, p 378
  5. ^ 黄金伝説, p 27
  6. ^ The Catholic Encyclopedia(687665/731099)
  7. ^ St. Savina of Milan - Saints & Angels - Catholic Online
  8. ^ 黄金伝説, p 375
  9. ^ 黄金伝説, p 375-377

参考文献[編集]

  • Saint Sabina of Troyes”. CatholicSaints.Info. 2015年9月17日閲覧。
  • Charles George Herbermann. The Catholic Encyclopedia: Complete Vol. 1-15 (With Active Table of Contents) (English Edition)  Kindle版 ASIN B005ZUXBY2
  • ヤコブス・デ・ウォラギネ、前田 敬作(訳)、西井 武(訳)、2006、『黄金伝説3』、平凡社〈平凡社ライブラリー〉 ISBN 978-4582765823

関連項目[編集]

  • レゲンダ・アウレア - 日本語で『黄金伝説』と呼ばれる聖人伝集。サウィニアヌスとサウィナは同じ章に収められている。
  • トロワ - 殉教地。

外部リンク[編集]