ダンガノン子爵
ダンガノン子爵(ダンガノンししゃく、英: Viscount Dungannon)は、アイルランド貴族の爵位。2度創設され、いずれも廃絶している。
歴史
[編集]ダウン県の政治家、軍人でアイルランド庶民院議員を務めたマーカス・トレヴァー(1618–1670)は1662年8月28日にアイルランド貴族であるダウン県ローズ・トレヴァーのトレヴァー男爵とティロン県におけるダンガノン子爵(Viscount Dungannon, co. Tyrone)に叙された[1]。初代子爵の後を息子ルイス・トレヴァー(c.1667–1692)とマーカス・トレヴァー(1669–1706)が継承したが、2人ともに男子をもうけず、1706年に3代子爵マーカスが死去すると爵位がすべて廃絶した[2]。
トレヴァー家の遺産は初代ダンガノン子爵の娘メアリーの息子マーカス・ヒル(?–1751)が相続したが、マーカス・ヒルは生涯未婚のまま死去、遺産はヒル家の手に渡った[3]。マーカス・ヒルの異母兄弟ウィリアム・ヒルの息子マイケル・ヒルの次男アーサー・ヒル(c.1694–1771)は1759年1月にトレヴァーを姓に加え、1766年2月17日にアイルランド貴族であるオルダーフリートのヒル男爵とダンガノン子爵(Viscount of Dungannon)に叙された[3][4]。その曽孫にあたる3代子爵アーサー・ヒル=トレヴァー(1798–1862)は保守党の政治家として庶民院議員、アイルランド貴族代表議員を務めたが、息子をもうけず、1862年に死去すると爵位はすべて廃絶した[5]。トレヴァー家の遺産は遠戚のアーサー・エドウィン・ヒル=トレヴァー卿(1819–1894)が相続し、アーサー・エドウィンは1880年にトレヴァー男爵に叙された[5]。
ダンガノン子爵(1662年)
[編集]- 初代ダンガノン子爵マーカス・トレヴァー(1618年 – 1670年)
- 第2代ダンガノン子爵ルイス・トレヴァー(1667年ごろ – 1692年)
- 第3代ダンガノン子爵マーカス・トレヴァー(1669年 – 1706年)
ダンガノン子爵(1766年)
[編集]- 初代ダンガノン子爵アーサー・ヒル=トレヴァー(1694年ごろ – 1771年)
- アーサー・ヒル=トレヴァー閣下(1738年 – 1770年)
- 第2代ダンガノン子爵ルイス・トレヴァー(1763年 – 1837年)
- 第3代ダンガノン子爵アーサー・ヒル=トレヴァー(1798年 – 1862年)
出典
[編集]- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1916, p. 535.
- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1916, pp. 536–537.
- ^ a b Cokayne, Gibbs & Doubleday 1916, p. 537.
- ^ "No. 10586". The London Gazette (英語). 24 December 1765. p. 2.
- ^ a b Cokayne, Gibbs & Doubleday 1916, p. 538.
参考文献
[編集]- Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary; Doubleday, H. Arthur, eds. (1916). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Dacre to Dysart) (英語). Vol. 4 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. pp. 535–538.