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アリアケヒメシラウオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アリアケヒメシラウオ
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: キュウリウオ目 Osmeriformes
: シラウオ科 Salangidae
: ヒメシラウオ属 Neosalanx
: アリアケヒメシラウオ
N. reganius
学名
Neosalanx reganius Wakiya&Takahashi, 1937

アリアケヒメシラウオNeosalanx reganius、有明姫白魚)は、シラウオ科に属する魚の一種。

分布

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日本固有の淡水魚であり、有明海へ流入する筑後川緑川の下流域に生息する[2]。両河川ともに感潮域の上流側から知られる[3]

形態

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日本産のシラウオ科魚類では最小で、体長は40 - 55 mm、大きくても60 mm前後である[3]。筑後川と緑川の個体群は遺伝的に異なり、筑後川の個体群の方が体長が4 - 10 mmほど小さく、体型も異なる[3]。体高は高く、頭部は丸みを帯びる[2]。下顎が突き出ており、口蓋骨歯は無い[4]。体は無色透明で、腹には黒色胞が並んでいる[2]。成熟した雄は臀鰭基部中央に黒色胞が現れる[5]

生態

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産卵期は3 - 6月で、4月がピークである[5]。川の水草や底の砂粒に産卵し、卵は球形で、直径は約0.9 mm[4]。体内卵数は300 - 700個で、産卵数は500個前後[3]。約10日で孵化し、仔魚は全長4 mm程。1年で成熟し、産卵すると寿命を終える年魚である[3]

人間の利用

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食用としての利用はされていないが、味はシラウオと変わりがないとされる[5]

保全状況評価

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  • 絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト
  • 福岡県-絶滅危惧ⅠA類(CR) 佐賀県-絶滅危惧Ⅰ類 熊本県-絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)[6]

脚注

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  1. ^ Miyazaki, Y.; Nakajima, J.; Takaku, K.; Taniguchi, Y. (2019). Neosalanx reganius. IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T14562A174780174. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T14562A174780174.en. https://www.iucnredlist.org/species/14562/174780174 25 March 2024閲覧。. 
  2. ^ a b c 『増補改訂 日本の淡水魚』251頁
  3. ^ a b c d e 『山渓カラー名鑑 日本の淡水魚』84頁
  4. ^ a b 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』128頁
  5. ^ a b c 原色日本淡水魚類図鑑(1976)
  6. ^ 日本のレッドデータ検索システム(アリアケヒメシラウオ)”. エンビジョン環境保全事務所. 2012年10月28日閲覧。

参考文献

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  • 宮地傳三郎、川那部浩哉・水野信彦『原色日本淡水魚類図鑑』(全改訂新版)保育社、1976年、118頁。ISBN 978-4-586-30032-7 
  • 田北徹(アリアケヒメシラウオ部分)『山渓カラー名鑑 日本の淡水魚』山と渓谷社、1989年。ISBN 4-635-09021-3 
  • 猿渡敏郎(アリアケヒメシラウオ部分)『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館、2018年。ISBN 978-4-09-208311-0 
  • 細谷和海『山渓ハンディ図鑑15 増補改訂 日本の淡水魚』山と渓谷社、2019年。ISBN 978-4-635-07043-0 

関連項目

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