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Wikipedia:自著作物の持ち込み

Wikipedia:CTWから転送)

ウィキペディアは著作権を尊重しており、この方針に反した文章は削除されます。本稿では、「自分が作成しすでに外部にて発表したもの」をウィキペディアに持ち込む(ウィキペディアに掲載する)際の注意点を述べます。

本稿でいう「自分が作成しすでに外部にて発表したもの」とは、自分が作成し、自分ないし自分が所属する組織が印刷物(書籍・パンフレット・チラシなど)やウェブページとして発表したものを意味します。テキストだけではなく写真・図版についても同様です。

すでに外部で発表されているものであっても、それが他者の手によるもの(ウィキペディアへの投稿者以外の著作物であるもの)の場合は、本稿では対象としません。

想定し得る問題点と本稿の目的

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想定し得る問題点

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既存の書籍・パンフレット・チラシあるいはウェブページの著作権者が、自らが著作権を持つ文章をウィキペディアに投稿することがありますが、第三者の目でこれを見ると、投稿者による著作権侵害であるかのように見えます。ウィキペディアにおいて著作権侵害は重大な問題であると考えられており、ウィキペディアに投稿された文書や写真が既存の書籍・パンフレット・チラシあるいはウェブページのものと一致した場合、「著作権侵害の恐れがある」として削除されることがあります。これは既存の書籍・パンフレット・チラシあるいはウェブページの著作権者の著作権を守るための措置であることをご理解ください。

自らが著作権を持つ文書や写真をウィキペディアに投稿する際は、まずウィキペディアの目的に合致する内容であることを確認することはもちろんですが(方針とガイドラインウィキペディアは何ではないか削除の方針)、これに加えて、著作権侵害の疑いを避けるための意思表示を本稿に沿って行ってください。

本稿の目的

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本稿では、外部で印刷物の原稿やウェブページを作成した方が善意でウィキペディアに投稿した際に、著作権侵害の疑いを避け、不本意に削除されることがないようにするための方法について説明します。

外部から持ち込む場合の注意点

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本当に著作権を侵害していないかどうか、再確認してください

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自分で執筆したテキスト・自分で撮影や作成をした画像であっても、自分には著作権がない場合や、独断では自由に使えない場合があります。まず、その点を確認してください。

このあと「自分には著作権がない場合」「独断では自由に使えない場合」に、どういうものがあるかを具体的に説明します。

「自分には著作権がない」「独断では自由に使えない」ものであった場合には、先行してその権利処理をする必要があります(具体的な権利処理の方法については、本稿では扱いません)。

職務著作など

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まず、職務著作として、自分には著作権が帰属していない場合が考えられます。

具体的には、なんらかの組織において作成し、職務著作と解されるものの場合です。たとえば企業・役所・博物館など展示施設・市民団体などが作成しそれらの名前で発表したものの場合、たとえ自分が執筆したものであったとしても、一般的に、執筆者には著作権が帰属しません。それらのものをウィキペディアに投稿してしまうと著作権侵害となります。

同様に、著作権を譲渡するという契約がある場合には、自分が作成したものであっても、自分には著作権(著作財産権)が帰属していない場合があります。これについても、そういうものをウィキペディアに投稿してしまうと著作権侵害となります。

また、職務著作にはならず著作権そのものは自分に帰属しているとしても、組織として発表したものを独断で使うことによって、組織内部でトラブルになる可能性も否定できません。組織として発表したものをウィキペディアに投稿する場合には、組織内部や顧問弁護士への根回し・確認などをすることが望まれます。

なお、この規定とは別に、ウィキメディアのプロジェクトではウィキメディア財団の利用規約により、プロジェクトへの投稿に際して報酬を受け取っている際にはそのことを明示することを求めています。この規定について、ウィキペディア日本語版での手続きはWikipedia:有償の寄稿の開示に定めてあります。あなたが職務上作成した著作物を職務としてウィキペディアに投稿する(例えば、雇用主や発注者の指示や許可のもと職務著作を投稿することや、他者が作成した文章を丸ごと職務で作成した文章に置き換えるなどがありますが、これらに限りません)など、この規定に該当すると考えられるときは、この文書に基づく処理とは別に、その投稿に関係する雇用主などの明示が必要な場合があります。この規定に該当すると考えられる場合に明示を行わなかった場合、Wikipedia:投稿ブロックの方針に抵触する可能性があります。

出版権設定など

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自分が書いたものであり、著作権が自分に帰属しているものであったとしても、出版社により出版した場合、その出版契約の内容によっては、出版社に無断で第三者への利用許諾ができない場合がありますので、注意が必要です。出版済み、または出版予定の文章をウィキペディアに投稿する場合は、投稿前に出版社に相談してください。

コンテスト応募作の著作権譲渡

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コンテストに応募したことがある作品の場合、著作権がコンテストの主催者に移転している場合があります。コンテスト応募履歴のある写真の投稿などの際には、必ずご確認ください。

著作権を侵害していないことの証明方法

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自分がすでに印刷物や外部のウェブページに発表したテキスト・写真などを、ウィキペディアに持ち込む場合には、「それが著作権を侵害するものではない」ということを明確にしておく必要があります。

具体的な方法としては以下のとおりです。

チェック ウェブページからの持込みの場合には、「オリジナルのテキストなどがある外部のウェブページの上」に「ウィキペディアに投稿した」旨の表記をする(当該ページの掲示板など、第三者にも書ける部分への記述ではだめです)。
チェック 印刷物からの持込みの場合には、「当該印刷物の発表母体のウェブページの上」に「ウィキペディアに投稿した」旨の表記をする。
  • 表示例:ウィキペディア「○○学園」2006年5月25日12:03 の△△△による投稿は、このウェブページの作成者によるものです。
  • これらの表記は、少なくとも削除依頼が完了するまでは、そのまま置いておいてください。

念のためですが、以下の方法は、著作権を侵害していないことの証明にはできません。ウィキペディアは誰でも編集・加筆ができるものであり、また登録利用者の身元確認を一切行なっていないため、これらの方法では著作権侵害の恐れがないことの証明とはなりません。

× ウィキペディアの当該項目のノートなどに「投稿者本人による執筆である」と記す。
× 著作権主体を名乗ることによって「投稿者本人による執筆である」ことを宣言する。

ウィキペディア上で「投稿者本人による執筆である」という宣言をしても、その宣言そのものが「著作権者ではない第三者が著作権者であると騙って投稿したもの」である可能性があります。また、ウィキペディアの利用者登録は、オンラインで簡単にできるものであり身元の確認をしていませんから、自称にはいかなる証明能力もありません。ですから、「×」をつけた方法では、著作権侵害がないことの証明にならないのです。従って、著作権者による投稿であることの証明は、ウィキペディア内ではなく、著作権者以外には執筆ができない(権限者のみが操作できる)ウェブスペースで行われる必要があります。

しばしば、著作権者自身が削除要請に対して「自分が書いたものなのになぜ著作権侵害の疑いをかけるのだ」と怒るというケースがありますが、「ウィキペディアの上で『自分が著作権者だ』と述べたとしても、それは何の証明にもならないのだ」ということをご理解ください。

なお、ウェブページがない場合には、「自分の著作物であること」「しかしウェブページはないこと」の2点を、削除依頼ページで説明し、そこで個別に相談してください。公式メールアドレスがわかっていて、メールによる「本人確認・著作権確認・フリーライセンス許諾確認」が行われたこともあります(例1例2)。

フリーライセンスについて

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ウィキペディア上の文書・画像類は、「CC BY-SA 4.0(クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際)」と「GFDL(GNU Free Documentation License)」のデュアル・ライセンス(この文書において「フリーライセンス」といいます)とよばれる著作権規定に基づいて扱われます。ウィキペディアに文書・画像などを投稿する場合には、CC BY-SAまたはGFDLのいずれかが自由に選択され、それに従って扱われることに同意していなければなりません。

フリーライセンスについての詳しい説明は、CC BY-SAGFDLデュアルライセンスをご覧ください。

以下、フリーライセンスについての簡単に説明と、掲載にあたって留意すべきことを述べます。

ウィキペディアは「みんなで作る百科事典」であり、誰でも編集ができます(フリーライセンスは、そのために採用されています)。従って、いったん登録された文書・画像が、ずっとそのままの状態で維持されるという保証はありません。他者によって改変が加えられる可能性があります。特に「組織としてウィキペディアに情報を提供する」という場合には、「他者によって改変が加えられる可能性がある」ということを組織内部で確認しておいた方が安全です。

また、フリーライセンスは、「出典を明記するなどのいくつかの条件を満たせば、フリーライセンスで利用許諾された文書を、利用してかまわない」ということを定めています。簡単に言うと、条件を満たせばその文書を「他のウェブページに掲載(転載)する」「CD-ROMに焼き付けて配る」「印刷して販売する」などのことができます。したがって、ウィキペディアに掲載したら、そのように利用される可能性があるということになります。これは「情報を共有するための工夫」であり、ウィキペディアの根幹をなす思想のひとつですが、著作物を財産と考え厳しく利用制限をする一般的な考え方とはかなり異なっています。この点についても、ウィキペディアに持ち込もうとする文書・写真・図版などに関して何らかのかかわりを持つ外部組織がある場合には、十分な理解を得ておく必要があります。特に、最後に挙げた「営利目的に使用してもかまわない」ことについて、十分ご留意ください。

望ましい「持ち込み方」

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文書・画像などには、それぞれ「目的」というものがあります。そして「目的」によって構成や書き方が変わるものです。既存の書籍・パンフレット・チラシあるいはウェブページに掲載された文書・画像が、百科事典であるウィキペディアに掲載するにふさわしいものかどうか、掲載前にもう一度考えることが望ましいでしょう。

すでに存在するテキストや画像をそのまま流用すればとりあえず手間が省けたような気がするかもしれません。しかし著作権侵害の恐れがあるという疑念を持たれて審議にかけられたり、内容が不適切として批判をされたりする可能性を考えたら、果たしてほんとうに手間が省けたことになるかどうかは疑問です。

元原稿をデータ原稿として、新たに百科事典向けに書き直したものを登録する方が、結果としては早道となるかもしれません。また同時に、宣伝的要素を除去するなどの作業を行えば、より良質な情報をウィキペディアに提供できることになるでしょう。

引用に関して

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追加的な助言です。

現在の日本の著作権法では、著作者の許諾を必要としない著作物の利用方法として「引用」というものがあります。そのため、自著作物に他者著作物を引用しているケースがあろうかと思います。

しかしウィキペディア上では、特にライセンスにおける改変可能性などとの関係で、引用の扱いについて争いがあります。現状では、持ち込んだ自著作物に他者著作物の引用が含まれている場合、その引用部分の扱いをめぐって意見対立が生じる可能性があります。ウィキペディアに不慣れな方は、当面「引用部分の持込み」はしない方が安全でしょう。

持ち込みが不可能な場合(匿名掲示板上の著作)

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どうがんばっても持ち込みが不可能なケースもあり得ます。そのうちひとつのケースについて、特に説明をしておきます。

外部の匿名掲示板に匿名ユーザーとして執筆したものを、ウィキペディアに持ち込むことは、認められません。

これは、「匿名掲示板に匿名ユーザーとして執筆したもの」については、それが誰の著作物であるかを確認できないためです(匿名で執筆されたものにも著作権が発生することに注意してください)。もちろん「自分が書いたものだ」と主張してもそれを証明する方法がないので無駄です。

また、ウィキペディアには「他人と全く区別できない」という意味での「匿名」の利用者は存在しません。ログインしている利用者は利用者名で、ログインしていない利用者も IPアドレスで他人と識別されますので、ウィキペディアではこれらを「匿名」であるとは考えません。また、ウィキペディアでは他人と全く区別できないことを目的とした「不特定多数によるアカウントの共有」は、Wikipedia:投稿ブロックの方針による投稿ブロックの対象となります(Wikipedia:利用者名#アカウントの共有を参照)。したがって、匿名掲示板の「匿名」と著作権上同一の人格である「匿名」の利用者をウィキペディア上に想定し、その「匿名」という投稿者の立場で投稿することもできません。

一部の匿名掲示板では、匿名の書き込みを「『匿名』という名前の一つの人格である共同著作者」による執筆と見なし、匿名による転載・改変を事実上認める慣習が存在するところがありますが、ウィキペディアにはこのような慣習はありません。

先に匿名掲示板に匿名ユーザーとして執筆した場合であっても、そのテキストをウィキペディアに持ち込むことはできません。この点をご理解ください。

執筆者名(ハンドル)について

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執筆者名として「組織名」を登録する方もおいでになります。しかし組織名を執筆者名に使うことには、慎重であるべきです。

まず第一に、先に述べたとおり、「ウィキペディアでは執筆者登録をする際にいかなる身元確認も行わないため、執筆者名は何かを証明したことにならない」ということがあげられます。執筆者名として組織名を使うことには、メリットがありません。第二に、にもかかわらず「組織を代表する者」と受け止められることがあります。第三者からそう受け止められ組織が指弾される可能性があるだけではなく、組織内部での意思の齟齬があった場合に当該執筆者名を使っている組織内個人の行動が組織内部で問題とされる可能性もあります。したがって、執筆者名として組織名を使うことには慎重であった方が安全でしょう。Wikipedia:利用者名も参照してください。

関連項目

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