Wikipedia:秀逸な記事の選考/胃切除術 20060226

胃切除術[編集]

賛成/条件付賛成/保留/反対 3/0/0/0

(ノート) 《推薦理由》しっかりと書かれており、医学関係者以外にもどのような物か非常にわかりやすくなっていると考え、秀逸な記事への推薦(他薦)を行います。皆様の審議をよろしくおねがいします。KMT 2006年2月26日 (日) 01:56 (UTC)[返信]

  • (保留)分かり易く、よく書かれた記事だと思いますが、再建法で方法の違いによる術後障害発生率の違いは後述すると書かれていますが、手術後の障害の項ではB-IIで障害の発生率が高いとしか書かれていません。また、Roux-en-Y以下の方法も十二指腸が固定されているためとしか書かれておらず、実際にこれら三つの方法がどのように使い分けられているのかが分かりません。それぞれの方法について、それぞれのメリット、デメリットを具体的に説明するべきです。--汲平 2006年2月26日 (日) 03:35 (UTC)[返信]
    加筆してみました。--ignis* 2006年3月10日 (金) 07:13 (UTC)[返信]
    • 加筆により、各方法の術後障害の発症にについては具体的になったと思われますが、メリットについてはまだ不十分に思います。「ビルロート II法で術後障害の発生が多いことが知られるにつれ改良法としてルーワイ法、空腸間置法が行われるようになった」にもかかわらず、手術時間や侵襲度の都合から未だにB-II法が多く用いられているのも事実です。こういったメリットも記述されるべきだと思います。対照表のような形で、各法について、侵襲度、手術時間、術後障害の発現頻度、・・・・・・、みたいな形でまとめてあるとよりわかりやすいと思います。できれば、各法の施行頻度がどのくらいなのかといった統計的な資料もあれば(これは秀逸とする条件ではありませんし、外部に資料があれば外部リンクで充分です)、さらにすばらしいと思います。--汲平 2006年4月3日 (月) 09:01 (UTC)[返信]
    • 再建術式の比較表を追加しました。B-II法に関しては、取材をした外科医の先生曰く「バイパスを造るときなどを除いて基本的には行わない」ということでしたので記述は追加していません。 --ignis 2006年4月10日 (月) 03:36 (UTC)[返信]
  • (賛成)一通り揃っていて百科事典として充分なのではないかと存じますTanadesuka 2006年3月25日 (土) 06:54 (UTC)[返信]
  • (条件付き賛成賛成)専門家ではないので、表現方法に関してのみ何点か指摘させていただきます。【1】胃潰瘍と胃切除術について、激減「してしまった」&呼「ばれたものである」という表現に違和感を感じました。おそらくは単純なPOVであり、激減「した」&呼「ぶ者もいる」などの表現に置換することで解決できるものと思われます(が、私には判断できませんので、表記についてご一考いただけますと助かります)。【2】手術の手順について、「6.胃を栄養する動静脈を同定し結紮処理」とありますが、これは「胃に栄養を供給する動静脈」という意味でしょうか?【3】手術の危険性と合併症について、「これに加えて一般的な開腹手術と麻酔の危険性が伴う。」とありますが、これは「これに加えて、麻酔を伴う一般的な開腹手術が持つ危険性が伴う。」と同義でしょうか。【4】骨障害について、「反論もある。」の記述を生かすためには具体的な文献の提示(既に提示されている場合は文献名の併記)が必要かと思います。反論が確からしくない場合は「統一した見解は得られていない。」などと表現を差し替える事も必要となるかもしれません。【5】胃切除後の再建法の比較について、素人目に見ますと「○・・△・×」が何を意味しているのか理解できません。表内の他項目と同じく「言葉での表現」を行うことで、この問題は解決されるものと思います。以上、細かなことばかりで申し訳ありませんが、どうにも気になって仕方がないので指摘させていただきます。読み間違いなどがありましたら申し訳ありません。 -- かえで 2006年4月22日 (土) 20:45 (UTC)[返信]
    • (コメント)かえでさんの質問に対し、簡単なものからお答えします。【5】言葉による表現に改めましたので、理解しやすくなったと思います。【4】表記を改めておきました。【1】ご指摘のとおり、この部分はPOVと言ってもいいかもしれません。昔話、思い出話程度のつもりで書きました。したがってこの部分はほかの記事身時々見られる「トリビア」のようなものです。記述位置を記事の最後に戻しておきました。【2】「栄養する動静脈」とは、「酸素や栄養を供給する動脈と、老廃物あるいは吸収した養分、産生した物質(例:内分泌器官であればホルモン)を流出させる静脈」を表す専門用語です。専門用語である以上解説が必要ではありますが、冗長になってしまうこと、ある程度文脈から類推できると思ったこと、胃切除術の記事中で説明するべき内容ではないので、今回は手を加えていません。【3】厳密には「これに加えて一般的な開腹手術と麻酔の危険性が伴う。」と「これに加えて、麻酔を伴う一般的な開腹手術が持つ危険性が伴う。」は同義ではありません。手術そのものの危険性と麻酔の危険性は別個のものです。(細かく説明すると言葉遊びになってしまいますが)また、この部分についても解説は他の項に任せるのが本筋かと存じます。--ignis 2006年4月24日 (月) 11:21 (UTC)[返信]
      • (コメント)丁寧なコメントおよび迅速な対応をいただき、ありがとうございます。秀逸な記事になった「後」に来るであろう質問を想定して書かせていただきましたが、これだけ丁寧に解説いただけるとあれば安心です。条件はクリア、ということで「条件付き賛成」から「賛成」に転じさせていただきます。 -- かえで 2006年4月25日 (火) 04:48 (UTC)[返信]
  • 条件付賛成 保留 コメント)専門的過ぎずにかなりまとまっていていいと思うのですが、逆に、専門性との間で議論が必要なところがあるので指摘させて下さい。
  1. まず、「Roux-en-Y法」の読み方です。確かに日本の外科医の先生は「ルー・ワイ法」と英語風に読む事が多いのですが、これは、フランス系スイス人のCesar Roux医師によって開発された術式のため、「ルー・アン・イグレック法」、または、フランス語読みに徹した「ルザンニグレック法」が正しいのではないかと。「ルー・アン・イグレック法」と読む先生がかなり少ないのは承知していますが、Wikipediaが百科事典である以上、正式名称として「ルー・アン・イグレック法」を併記した方がいいのではないかと思います。
  2. 「3.腹水を採取し病理検査に出す。」とありますが、通常、腹水は数十ml程度しか存在せず、簡単に採取される量の腹水がある時点でアウトです(胃癌で腹水があったら、血行性の肝転移で門脈を圧排していたり、癌性の腹膜撒腫を起こしていたりが考えられます)。勿論、記事の執筆者の意図は違うところにあることは分かりますが、この場合の「腹水の病理診断」は、生理食塩水で腹腔を洗浄し、回収したものを病理迅速診断に出す、という手順でします。なお、立位で腹腔における最下部にあるダグラス窩に播種が多いので、漫然と生食で洗浄する、というより、「ダグラス窩の腹腔細胞診をする」という意志を持って行います。ここでがん細胞が見つかったら、根治度C、すなわち、確実に癌が遺残するので術式が変更になります。
  3. 「6」についてですが、「胃を栄養する動静脈を同定し、切除範囲にあわせて結紮処理しながら、大網切離、胃の周囲のリンパ節郭清、十二指腸切断を行う。摘出したリンパ節は病理検査に出す」にして頂けませんか? 詳しい手順は、D2幽門側切除術では、Kocherの十二指腸授動術→大動脈周囲のリンパ節転移有無の検索(転移が見つかったら拡大手術へ変更)、以後、動静脈を結紮しながら→大網切離→大弯右側および幽門下部郭清→肝十二指腸間膜および幽門上部郭清→十二指腸切断→小網切離および肝十二指腸間膜左側郭清→※総肝動脈周囲の郭清→小弯側噴門部郭清→大弯側郭清→胃部分切離となります。D2胃全摘なら、原則として脾臓を摘出するので、※以降が、総肝動脈周囲の郭清および脾動脈の根元で結紮→小弯側噴門部郭清→脾膵の脱転→脾動静脈を脾門部で結紮→脾摘出→食道胃接合部より上で切除(胃切除)という手順です。大網は術後の癒着を防ぐ働きがあるので残す方法もありますが、一応、一般的に切除対象なので書き込んだ方がいいと思います。
  4. 「9」について、胃癌で直接浸潤に当たるのは播種性転移ですが、胃全摘では転移の有無に限らず脾臓の摘出が行われることが多く、浸潤のおそれがある場合は膵臓も部分切除されます。拡大手術の際には、転移がなくとも術後の胆嚢炎を防ぐ意味で胆嚢を摘出します。また、拡大手術の左上腹内蔵全摘術(1982年に梶谷教授によって報告された手術法)で肝臓や結腸まで摘出することがありますが、腹腔内転移があるStageIVでは効果がないという報告が多く、適用されない場合が多いのではないかと思います。「転移があったら脾・膵・肝・結腸を摘除」というのは、正しくないと思います。
  5. 「胃切除後の再建法」において、「Pouch形成を伴う空腸間置法」を付け足して欲しいと思います。自動吻合器の進歩によって広まりつつある手術法です。pouchが小胃症状を改善してくれます。
  6. 専門的かも知れませんが、輸入脚症候群の治療法としてBraun吻合が有名です。また、B-II法で結腸前経路をとらざるを得ない場合にはBraun吻合の付加が普通だと思うので、Braun吻合をどこかに入れて欲しいと思います。
以上、だらだらとナンクセを書いてしまいましたが、記事は全体的にまとまっていて分かり易いと思います。 もね~るmoner 2006年5月1日 (月) 17:45 (UTC)[返信]
  • (コメント)もね~るさんのご意見に従いさらに加筆をしました。以下具体的に説明します
  1. Dr. Cesar Rouxについてスイス人の友人に問い合わせたところローザンヌに彼の名を冠した通りがあるそうです。写真を撮るよう頼んでおきました。術式の読み方に関しては注釈の形式でフランス語読みを追記しました。
    Rue Cesar Roux
    Rue Cesar Roux
  2. 腹水細胞診について。「簡単に採取される量の腹水がある時点でアウト」とは限りません。画像診断で判別できない腹水があることもあります。が、洗浄細胞診のほうが一般的であることは確かです。
  3. 大網の切除を書き加えました。
  4. 【「転移があったら脾・膵・肝・結腸を摘除」というのは、正しくないと思います。】これは読み違いです。原文の意図するところは「浸潤があれば切除する」「切除する可能性があるのは脾臓膵臓結腸肝臓」です。が、浸潤があるか無いかよく分からないのが癌の怖いところでありますから、(もしくは浸潤が疑われる場合)という記述を追加しておきました。
  5. LUAE(左上腹部内臓全摘術)について、そのような術式もあることは承知しておりますが、「周囲の臓器を摘出することもある」という表現でまとめてしまってはいけませんか?
  6. 空腸パウチとBraun吻合については、うっかり書き忘れていたので追加しておきました。
以上。ignis 2006年5月2日 (火) 16:51 (UTC)[返信]
百科事典だから、と思ってあまく判定していましたが、出典が1990~2000年で、2000年代以降の医療経済学の考え方があまり反映されていないので、保留に替えたいと思います。医療は、小泉改革によって大きな転換をした業界です。「初期の癌は根治(手術)が基本、進行癌はQOLを考えて手術」という思想は90年代までで、2000年代以降は、医療経済学の面を考えて、疫学的に手術という投資に意味があるかどうかの判定が加わりました。浸潤・転移があるかないかは病期の判定に使っても、手術規模の拡大縮小、内視鏡的術式の選択には医療経済学(疫学、EBM)が影響を与えており、場合によってはがんを身体に同居させながら生活させることも厭わない状況です。文中の「浸潤があれば切除する」という判断は、疫学的に意味があるかどうかは別として、「がんをなるべく完全に切除すれば根治に近づく」という経験的期待値によっており、EBMや医療経済学とは異なります。浸潤がなくとも疫学的に意味があれば予防的に切除する膵臓、手術の難易度を下げて手術費用圧縮を目指し、浸潤がなくとも摘出される脾臓、術後の胆嚢炎の合併症を防ぎ、再手術費用や薬代をうかす意味で浸潤がなくとも切除される胆嚢など、QOLとは関係なく胃切除の術式は決定されます。患者さんに対するアナウンス・説明では「QOL」「根治度」を強調し、学生用の教科書もそのように書いてありますが、医療の現場としては、医療費削減と医療訴訟回避の圧力の中、経済学的な判断が横行しております。ということで、日本の21世紀的な医療を反映した記述になっていないので、保留としたいと思います。 もね~るmoner 2006年5月14日 (日) 03:45 (UTC)[返信]
(コメント)この記事は「胃を切除する行為」の記事であって、胃癌の治療法の記事ではありません。また、胃切除の原因として胃癌が最も多いと考えられるため例として胃癌の手術を挙げたのみです。もねーるmonerさんの意見は胃癌にフォーカスしすぎではありませんか?--ignis 2006年5月14日 (日) 04:14 (UTC)[返信]
(コメント)挙げている例の内容に問題があるから集中的にコメントしていました。切除手順については、胃が管腔臓器であるため、切除部の肛門側を一時的に遊離端にし、清潔操作をしながら周囲組織との剥離・郭清、後に口側を切断するという手順になり、実質臓器の様なen bloc摘出とは異なります。しかし、学生用の教科書は、医師国家試験に摘出手順が出ないので、手順無視で実質臓器と同じ様に書かれていると思います。百科事典としては、実際の手順と国家試験用の覚え方のどちらを採用すべきなのでしょうか? また、記事内の「手術手順」の途中で、医学的判断を書き加えていますが、「浸潤があれば切除する」のような国家試験的な書き方は、現場の考え方と異なります。「胃を切除する行為」に記事を純化したいのならば、中途半端な医学的(医学生的)判断の部分を削除するべきだと思います。他の文系genreの記事では、かなり詳しいところまで書かれているものが多いのに、医学に関する記事になると、「百科事典だから」と急にブレーキがかかり、内容がトーンダウンしているように思えます。自分の専門性から、医学に関する記事には厳しくなってしまうので、これ以上のコメントは控えたいと思います。 もね~るmoner 2006年5月15日 (月) 19:15 (UTC)[返信]
  • (コメント)Toki-hoと申します。図を適切につかった記事、読者にとって親切と思いました。とくにこれから胃切除術を受ける患者のみなさまにとって、大変役立つのではないかと思います。ただ、秀逸にするためにはもう少し改善の余地があるかと思いました。以下少し思ったことを書いてみます。医学にとっての素人の意見としてお読みください。
    1. まず胃切除術の実際については大変詳しく、分量としてはこれ以上加筆の必要はないように思います。ただ、胃切除術の歴史についての記載が少なく、定義部分の一文と、ずっとあとの「4 内科的治療の進歩と胃切除術」に数行あるだけです。これらをまとめてもう少し間の経緯(1881年から2006年まで それと1881年に胃切除術が行われるまでの前史などもあれば)を加筆していただいて、「歴史」といった節をつくられると、より百科事典的になるかと思いました。
    2. 図表はたいへんくわしく、わかりやすのですが、「胃切除後の再建法」の3図にも、肝臓、胆嚢、膵臓(?)などの説明がちょっとあるとうれしいなと思いました。
    3. あと、非常にこまかいことですが、素人にわかりにくかった文章を下にあげさせていただきます。(斜体にした部分は胃切除術ノート / 履歴 / ログ / リンク元からの引用です)
      1) 胃を栄養する動静脈(2.2 手術の手順)-----うえで、かえでさんがおっしゃっているように、やはり一般人にはわかりにくいです。冗長にならないように説明するのでしたら「胃につながる動静脈」といったような表現ではいけないのかなあ、と、素人は思いますが、そう書くと間違いになるのでしょうか。
      2) 目に見えない癌細胞が浮遊していないか顕微鏡で確かめるためである(2.3 胃切除後の再建法)-----目に見える癌細胞というものがあるのかな、と一瞬とまどってしまいました。「目に見える癌の病巣以外に(腹水のなかに)癌細胞が浮遊していないかどうかたしかめる」という意味だと思いますがいかがですか。
      3) 空腸パウチ法と呼ぶが手術が煩雑になり手術時間が延びることやすべての施設で行われているわけではないことが欠点である。(2.3 胃切除後の再建法)-----空腸パウチ法が、なぜ「すべての施設でおこなわれない」のかがわかりません。たぶん、手術時間が延びる(などの)欠点があるので、「すべての施設でおこなわれない」のかな、と思いますが、そのあたりいかがでしょうか。
      4) リンパ節郭清(2.5 手術時間・出血量)-----素人にはなじみのない用語なので、ひとことご説明か、他項目にリンク誘導があればよいと思いました。
      5) 逆に胃切除後に摂ってはいけない食べ物は特にない。 (3.2 手術後の障害)-----前後の文脈からいうと「逆に」というのは、少し変な感じがしました。(私の語感からそう思うのかもしれません。)前の文章とつなげて「なお、胃切除後に摂ってはいけない食べ物は特にない。」というほうがすんなりくると思うのですが、いかがでしょうか。

以上です。読み違えているところや、素人すぎて、ご専門家には、こんなこともわからないのかということもあるかと思いますが、一読者の意見として、お読みください。ますますよい記事になることを願っております。Toki-ho 2006年5月5日 (金) 03:35 (UTC)[返信]

  • 条件付き賛成コメント)この分野については専門ではありませんが、revisonを重ねたことで、各論にあたる詳細な部分は詳しく書かれており、図も適切に使われていると思います。しかし、それらを総合的に見た総論の部分が不足していると思いました。上の議論ともいくつか重なりますが、
    1. 治療という大きな視点から見たときの、「胃切除という方法」の総合的なメリット/デメリットについて、きちんとまとめた説明が、まず必要だと思います。特に、QOL上の問題などは、もっと大きく取り上げられるべきでしょう。
    2. 対象となる疾患のセクションについては、もう少し、それぞれ個別の疾患にフォーカスを当てて、胃切除がその治療法としてどのくらいのウェイトを占めている/占めていた、かを述べた方がいいと思います。
以上の改善のため、これは一案ですが、対象疾患について
  • 胃切除全体のメリット/デメリットの解説、対象となる疾患を羅列
    潰瘍
    改善効果、治療に占めたウェイト、その後H2ブロッカーにより使われなくなった事情の説明
    腫瘍
    改善効果、治療に占めるウェイト、QOLからの説明、付加的にEBM的観点の説明
のような構成(上は疾患名など端折ってます)とし、現在、最後に設けてある節の内容を統合してはどうかと思いました。--Y tambe 2006年5月15日 (月) 03:31 (UTC)[返信]
指摘した点の改善はまだ十分ではないと思いますが、改善に向けての取り組みがなされていることを評価し、条件付き賛成については取り消し、コメントとします。まだ積極的に賛成するものではありませんが。--Y tambe 2006年5月26日 (金) 04:22 (UTC)[返信]
  • (以下はコメント)上でもね~るmonerさんが指摘されている件についてですが、EBM的な解説を「第一義に盛り込むべきだ」という主張なのであれば、もね〜るmonerさんの提示された根拠に従う限りにおいて、私は二つの理由から反対です。まず、まだ最新の教科書への記載がなされていない事柄であるのなら、あくまで教科書に書かれているような、rigidな内容の記述こそが「まず」必要だろうということ。次に、それはあくまで社会情勢などを鑑みた「21世紀の日本」におけるPOVであり、日本以外のPOVも合わせた、総括的な記述が「まず」必要だろうということ。この二つの理由から、必ずしも「日本の最新事情を優先」すべきとは言いきれないところが多いと考えます(これは本件だけではなく、どの項目についても考慮すべきだと思っています)。私は専門外なので、この分野の最近の世界的情勢がどうなっているかは詳しく知りませんが、もね〜るmonerさんの記述された内容から判断するならば、EBMについては「まだ書かれていなかったとしても」何とか許容可能な範囲であるが、その観点からも付加的に書いた方が望ましいという、条件付き賛成(minor revision)に相当する要求のように感じました。上に挙げたような形で記述するのでは不足でしょうか?--Y tambe 2006年5月15日 (月) 03:31 (UTC)[返信]
(コメント)記事の出典となっている教科書は、90年代のものなので最新とは言えません。学生・研修医用の教科書のSTEPシリーズでも、2000年代のものなら私が書いたようなレベルの手術手順や医学的判断が書かれています。医者用の教科書のレベルはもっともっと詳しいので、百科事典には合わないと思います。EBMについては、疫学的EBM、医療経済学的EBM、生物学的EBMなど、原因・結果いずれの方面からもevidenceがあり、毎日新しいevidenceが発表されています。私が指摘したレベルのEBMは、2000年代の医学生・研修医用の教科書レベルに留めたつもりです。90年代の学生用教科書がrigidで、2000年代の学生用教科書がrigidでないなら、今の記事の内容でいいと思います。また、90年代から、疫学的EBMや医療経済学的EBMとして明示されていなくとも、医療費削減圧力が治療法選択に影響を与えていました。私が手術手順で指摘したことは、90年代から標準的なものであり、その背景となっていたものが小泉総理になってから実際に露呈し、保険医療費がマイナス成長になって、自由診療がプラス成長になりました。日本の最新の事情は、「患者の意志の尊重」「自己責任」の美名下、もっとシビアになっており、百科事典には合わないと思って書き込んでいません。いずれにせよ、私は「2000年代の学生用教科書」の範囲を出て指摘をしておらず、「21世紀的」と表現しても「最新」の現場のことまでは指摘していません。なお、EBMという言葉は90年代から一般的に使われるようになりましたが、それ以前から学会やジャーナルでevidenceやプロトコルは発表されており、それに沿った医療がなされていたため、90年代になって急にEBMが始まったわけではありません。現在の日本のEBMは、疫学的EBMや医療経済学的EBMを指すことが多く、アメリカの(国民皆保険ではない)保健医療の趨勢を反映していることが多いです。そのため、日本の医療現場を知らずに「EBM」を語ると、アメリカの医療現場を語っていることになる可能性があり、注意が必要です。 もね~るmoner 2006年5月15日 (月) 19:15 (UTC)[返信]
(コメント)なるほど。念のため確認させてください。(1) 前回のコメントで「学生用の教科書もそのように書いてあります」として挙げておられたものは、あくまで1990年代のものの内容である。(2) 2000年代の教科書にはすでに「胃切除術が選択されうる症例のときに」治療法を決める判断材料として、疫学的EBMおよび医療経済学的EBMを考慮するべき旨が記載されている。……この二点について間違いないでしょうか? それであればもちろん、EBMその他の事情を盛り込むことは、十分rigidなやり方です。EBMについて「毎日発表される新しいevidence」を盛り込むことは、もちろん百科事典的ではありませんが、単報ではなく、きちんとしたjournalにレビューが出たり、教科書に書かれた段階であれば、ある程度まで確立された事柄だと考えてよいと思いますし、特に教科書の記載内容などは最新版の内容をフォローすることが重要ですので。--Y tambe 2006年5月16日 (火) 03:01 (UTC)[返信]
(コメント)学生向けの本から、消化器専門医を目指す医師向けの教科書、海外の文献を紹介している本などを調べてきました。どれも本屋に置いてある本だったので、一般の人がアクセスできる資料、と言って構わないと思います(もちろんさらに新しい文献もありますが、専門的すぎるでしょう。あと読むのが正直苦痛ですし、同じ労力を使うなら術後の生活など一般向けの情報を充実させたい)。なるほど、確かに勉強不足だったようです。現状の記述は「取れば取るほど治癒に近くなる」という昔の考え方が色濃く残っていることがよくわかりました。さて、これをどう改善するかなのですが、私は医学のような専門的な内容の記事は書き出しは読者が取り付きやすいような内容にし、読み進む内にだんだん難しい内容になっていくという記事の組み立て方が理想的だと考えます。そこで、
  1. まず、これから説明する手順は古典的なやり方で、いまは必ずしもそうではないという断り書きを入れる
  2. 血管処理、リンパ節郭清、胃切除、再建、といった一昔前の手順を書く(現状の記述をもとにもね~るさん、他の専門家の方がたに手を入れていただけるとありがたいです。一昔前なら現状の記述で基本的には通用するでしょう)
  3. ところがこの10~20年ほどで社会的に脚光を浴びてきたEBM、QOL、インフォームドコンセント、医療経済といった概念により、問題はそう単純ではないということを説明する。(手術の項や、医療経済の項が充実してきたらそちらに移動してもいいかもしれません)
  4. 「意見が分かれる項目」「これからの展望」の項目につなぐ
という構成を考えてみたのですが、いかがでしょうか。--ignis 2006年5月17日 (水) 14:11 (UTC)[返信]