ASN-209 (航空機)

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ASN-209

(参考)上図はASN-206のものであるが、ASN-209の機体の形状・構成はほぼ同じである。

(参考)上図はASN-206のものであるが、ASN-209の機体の形状・構成はほぼ同じである。

  • 用途:戦術無人航空機
  • 製造者:西安愛生技術集団公司
  • 運用者
    • 中国人民解放軍海軍
    • エジプト軍
  • 運用状況:現役

ASN-209は、西安愛生技術集団公司(中国簡体字:西安爱生技术集团公司、 英語:Xi'an ASN Technology Group Co., Ltd.)が開発した多用途戦術無人航空機[1]。同社は西北工業大学が所有する独立法人である。軍民両用を意図して開発された。

ASN-209は多用途無人航空機ASN-206/207シリーズの最新型である。ASN-209はASN-207より機体を小型化している[1]

機体[編集]

主翼はテーパー翼高翼配置となっている。双ブーム形式でブームの後端に垂直尾翼があり、2枚の垂直尾翼の間に水平尾翼が付けられている。垂直尾翼と水平尾翼はH型配置となっている。推進方式はプッシャー式である。搭載エンジンの型式は、ピストン式であること以外不明である。プロペラの翼の枚数は2枚である。降着装置は簡略なスキッドが付けられているだけであり、ランディングギアは持たない。離陸はRATOを使いカタパルトから射出される。着陸はスキッドランディングもしくはパラシュートを用いて回収される。艦艇のヘリコプターデッキからも射出可能と考えられている[1]

ミッション・ペイロード[編集]

ミッションに応じたペイロードを搭載可能。

軍用型は地上移動目標表示レーダー、目標指示装置、ELINT装置、EW装置、通信中継装置を積む[1]

民間用は

  • 電子光学装置、合成開口レーダー
  • 森林火災防止、大気気候のモニタリング、人工降雨に特化した装置

などミッションに応じ選択して積むことができる[1]

誘導・管制装置[編集]

おそらく自律飛行ができると思われるが、情報は公開されていない。見通し線内通信および見通し線外通信用データリンク装置を搭載[1]

システムの構成[編集]

ドローン本体。ペイロード。データリンク装置。トラックに搭載された地上管制ステーション。射出装置。トランスポーター[1]

運用者[編集]

2011年7月に中国で行われた水陸両用戦の演習で海南島とスプラトリー諸島との間の通信中継を行ったと伝えられている。また2012年5月にはエジプトがASN-209の国産製造を開始したと伝えられている。2013年時点でASN-209は中国人民解放軍海軍とエジプト軍で運用中と考えられている[1]

シリーズ[編集]

スペック[編集]

ASN-206 ASN-207
(ミッション用)
ASN-207
(中継用)
ASN-209
全長(m) 3.8 6.0 4.3
全高(m) 1.4 2.1 1.5
全幅(m) 6.0 9.3 7.5
最大射出重量(kg) 222 480 410 320
最大ペイロード(kg) 50 100 30 50
実用上昇限度(m) 5000 6000 8000 5000
最大速度(m) 209 180 180
行動半径(km) 150 600 200 100
航続時間(h) 通常4
最大8
16 10

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h IHS Jane's All The World's Aircraft:Unmanned 2015-2016, IHS, 2015, pp. 30-31

参考文献[編集]

  • Martin Streetly (2015). IHS Jane's All The World's Aircraft:Unmanned 2015-2016. IHS. ISBN 978-0710631381