電子銃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。イユニマ (会話 | 投稿記録) による 2018年10月9日 (火) 00:49個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎電界放射(FE)型: 読み易い言葉使いにした)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ブラウン管の電子銃

電子銃(でんしじゅう、英語: Electron-gun,英語: e-gun)とは、固体中の電子を高や高電界により空間に放出させ、これを電界により加速すると共に、電子レンズにより電子線をビーム状に収束させて照射する装置。

種類

熱電子放出型

熱電子放出では、固体中の電子を空間に取り出す電子源(エミッタもしくはカソード)には、熱エネルギにより電子放出を行う。安価に安定な電子源が得やすいため、ブラウン管などに広く用いられている。加熱しているためアウトガスの吸着が少なく、長寿命で安定的な電子線放出が行える。

熱電子源としては、タングステン六ホウ化ランタン(LaB6)などのフィラメントが用いられる。
熱電子を放出しやすくするためにショットキー効果を使ったものが電子顕微鏡や電子線描画装置などに用いられている。

電界放射(FE)型

電界放射型 (Field Emission)では、高電界により固体表面近傍のポテンシャルバリアを薄くすることで、量子力学的トンネル効果を利用して空間に電子を取り出す。微細な電子源(点電子源)が得やすく、また高い電流密度が得られるため、高分解能電子顕微鏡電子線描画装置などに用いられている。