法廷侮辱罪
法廷侮辱罪(ほうていぶじょくざい)とは、裁判所の規則・命令などの権威を害する行為である。
概説
法廷侮辱罪は、イギリス国王への不敬行為に科された制裁を起源としており、権力が議会や裁判所に移行したことによって議会侮辱・裁判所侮辱として成立した。このため、法廷侮辱は英米法の概念にあたる[1]。
法廷侮辱は、法廷の中で不敬な行為を行った場合に適用される直接侮辱と、裁判所が発した命令や令状などに服従しない場合に適用される間接侮辱に分けられる[1]。
また、法廷侮辱は裁判所の命令に従わないことで適用され、命令を強制するために制裁が行われる民事侮辱と、当事者の不当な行為でによって適用され一定の制裁が加えられる刑事侮辱にも分類される[1]。
日本における法廷侮辱
詳細は「法廷等の秩序維持に関する法律」を参照
日本では直接侮辱については「法廷等の秩序維持に関する法律」にて禁止しているが、間接侮辱に相当する制度は定められていない[1]。
英米法における法廷侮辱
英米法では、裁判官の自由裁量にゆだねられているという点において、非常に強力かつ特異な制度であると言える。そのため、裁判所による濫用を避ける目的で、アメリカ合衆国では言論の自由や労働争議について、裁判所の権限を制限する制度が考案されている。