松葉色

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松葉色(まつばいろ)とは、マツの葉の色を模した、くすんだ緑色のこと。

概要

清少納言は『枕草子』に「狩衣は 香染の薄き。白き。ふくさ。赤色。松の葉色。青葉。桜。柳。また青き。藤。男はなにの色の衣をも着たれ。」と狩衣の色目を列挙している。この「松の葉色」とは『栄花物語』の「松の葉がさね」『増鏡』「松がさね」の名で登場する「松重」の色目ではないかと思われる。

松重は四季通用(季節を問わず着用できる)の色目で表青(緑)・裏紫(『雁衣鈔』)、表萌黄・裏紫(『薄様色目』)など緑系と赤紫系の組み合わせの衣装である。

参考文献

  • 福田邦夫『すぐわかる 日本の伝統色』東京美術 ISBN 4-8087-0784-5
  • 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社 ISBN 4-87940-549-3
  • 長崎盛輝『かさねの色目 平安の配彩美』青幻社ISBN 4-916094-54-9