一粒万倍日
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび、いちりゅうまんばいにち)は、選日の1つである。単に万倍とも言う。
概要
「一粒万倍」とは、一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味である。一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされる。但し、借金をしたり人から物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるので凶とされる。
また同じ意味合いで、借りを作る、失言をする、他人を攻撃する、浪費などもトラブルが倍増するので避けたほうがいいとされている。
一粒万倍日は数が多いことから、他の暦注と重なる場合がある。その場合、吉日と重なったら一粒万倍日の効果が倍増し、凶日と重なったら半減するという。
一粒万倍日は宣明暦時代には記載されていたが、地方暦によっては記載されていないものもあった。貞享暦以降は暦注から外されたが、新暦が普及してから民間暦に掲載されるようになった。
購入した金額の何万倍にも増えるということで、宝くじを買うのに良い日ともされる[1]。一粒万倍日には「本日は一粒万倍日」の掲示を出す宝くじ売り場もある。
日取り
一粒万倍日の日取りは節切りで、次の通りである。 なお、二十四節気のうち、太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・穀雨など)を中気、そうでないもの(清明・立夏など)を節気といい、節気から次の節気の前日までの間を1か月とする月の区切り方を節切り、その月を節月という。以下の節月は旧暦(太陰太陽暦)や新暦(グレゴリオ暦)などの月とは当然異なるものとなる。
- 正月:丑・午の日
- 二月:酉・寅の日
- 三月:子・卯の日
- 四月:卯・辰の日
- 五月:巳・午の日
- 六月:酉・午の日
- 七月:子・未の日
- 八月:卯・申の日
- 九月:酉・午の日
- 十月:酉・戌の日
- 十一月:亥・子の日
- 十二月:卯・子の日
脚注
- ^ 宝くじ買うなら一粒万倍日に買え!!、池田昭広、All About、2007年9月20日
参考文献
- 岡田芳朗・阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』柏書房、1993年。ISBN 4-7601-0951-X。