ライトバリュー

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ライトバリューとは、カメラ露出計などで、露光計算上での明るさを表す単位・指標の一つ。

概要

ライトバリューはLVとも呼ばれ、ある絞りとシャッター速度の組み合わせで撮影した場合に露光される量を表している。 定義式はレンズの明るさ(絞り)F=1、露光時間(シャッター速度)t=1秒を基準1.0として、F、tによる減光量比を、2を底とする対数で表したものである。

LV=log2{F2/ t }

 =2・log2{F}+log2{T} ・・・・・・・・ (但し、T=1/ t とする)

電卓計算用に常用対数表記すれば

 ={2・log10(F)+log10(T)}/log102 ・・・・・・・・ (常用対数計算)

  絞りとシャッター速度の組み合わせが変わっても露光量が同じならLVは同じである。 具体的には、シャッター速度はタイムバリュー(Tv)、絞りはアパーチャーバリュー(Av)と呼び、

LV=Tv+Av

但し Av=2・log2{F}

    Tv=log2{T} ・・・・・・・・ (Tは t の逆数。t=1/500秒→ T=500 (1/秒)

となっている。

Tv0は1秒、Av0はF1.0になり、一段シャッター速度を速くする、または絞りを絞るとTvまたはAvは1増加する。1秒以上のシャッター速度のTvはマイナスになる。

また、エクスポージャーバリュー(EV)という、LVにフィルム感度を加味した指標もあり、これはISO100のフィルムに対してTv0=1秒、Av0=F1.0、Tv+Av=EVという表し方をしている。LV0で撮影してISO100のフィルムが適正露光になる明るさがEV0である。  フィルム感度ISO-100(ASA100)を基準1.0として、2底の対数で表し、先のLVに適用したもので、定義式は

EV=log2{F2/ t×(ISO/100) }

  =log2{F2/ t}+log2{(ISO/100) }

  =LV+log2(ISO/100)

  10底対数:常用対数表記では EV=LV+log10(ISO/100)/log102

ここでもし4倍感度のISO400のフィルムに交換した場合、LV0で撮影すべき明るさはEV-2 になる。逆にEV0の明るさを撮影するときはLV2の露光量で撮影する。


LV=0 でISO-100フィルムが適正露出となる被写体(界)照度は 2.5Lux~2.4Luxとされている。夏季快晴時照度100,000~200,000LuxのLV値は定義に基づき計算するとLV=log2(100,000/2.5)=log2(40,000)≒(0.3010×2+4)/log102≒15(~16) となり経験値13~16に一致する。


LVとEVはよく似た指標であるが、LVがレンズとシャッターを通って実際に露光される量を表す指標であるのに対し、EVは被写体のISO100のフィルムに対する明るさを表している。

LVを表にすると以下のようになる。

ライトバリュー LV
F1.0 F1.4 F2.0 F2.8 F4.0 F5.6 F8.0 F11 F16 F22 F32
1秒 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1/2秒 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
1/4秒 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1/8秒 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
1/15秒 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
1/30秒 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
1/60秒 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
1/125秒 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
1/250秒 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
1/500秒 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
1/1000秒 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
1/2000秒 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
1/4000秒 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

関連項目