幻燈会
幻燈会 | |
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The Star Boarder | |
監督 | ジョージ・ニコルズ |
脚本 | クレイグ・ハッチンソン |
製作 | マック・セネット |
出演者 |
チャールズ・チャップリン ミンタ・ダーフィ エドガー・ケネディ ゴードン・グリフィス アリス・ダヴェンポート |
撮影 | フランク・D・ウィリアムズ |
配給 | キーストン・フィルム・カンパニー |
公開 | 1914年4月4日 |
上映時間 | 16分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
サイレント映画 英語字幕 |
『幻燈会』(The Star Boarder) は、1914年公開の短編サイレント映画。キーストン社による製作で、監督はジョージ・ニコルズ。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャールズ・チャップリンのフィルモグラフィーの整理システムに基づけば、チャップリンの映画出演9作目にあたる[1][注釈 1]。
あらすじ
[編集]とある下宿屋。チャーリーはおかみ(ミンタ・ダーフィ)に気に入られ、周囲は嫉妬のまなざしで見ていた。やがて2人は夫(エドガー・ケネディ)の目を盗んでは密会を繰り返すようになるが、夫は夫で浮気をしていた。その様子を、おかみ夫妻の息子(ゴードン・グリフィス)が幻灯機に撮っていた[2]。
評価・背景
[編集]チャップリンの伝記を著した映画史家のデイヴィッド・ロビンソンは、『幻燈会』を「セネット監修の一連の映画のなかでももっとも魅力的な小品」とし、「四コマ漫画のような簡潔さと緊張を備えている」と評する[2]。これに対し、ノンフィクション作家で映画史家のテッド・オクダは、「『幻燈会』に特に面白い演出があるわけでもなく、過去作品と比べても著しく変化があるわけでもないが、ストーリーには倫理的進行が見られ、チャップリンの影響力が徐々にではあるが垣間見られる」とする[3]。またオクダは、ゴードン・グリフィスが演じるところのおかみの息子には『キッド』(1921年)におけるジャッキー・クーガンのような愛くるしさではなく、『偽牧師』(1923年)でのディーン・リーズナーや『ニューヨークの王様』(1957年)でのマイケル・チャップリンのような「悪ガキ」然とした雰囲気が通じていると述べている[3]。
なお、チャップリンがニコルズのメガホンのもとで演技をしたのは、この作品が最後となった。ヘンリー・レアマンに続いてニコルズとそりが合わないことを重く見たセネットは、相性が良いとみられていたメーベル・ノーマンドに監督をさせ、チャップリンをそのもとに送り込むことを決断する[4]。
キャスト
[編集]- 下宿人:チャールズ・チャップリン
- 下宿屋のおかみ:ミンタ・ダーフィ
- おかみの夫:エドガー・ケネディ
- おかみ夫婦の息子:ゴードン・グリフィス
- おかみの友人:アリス・ダヴェンポート
- 下宿人:フィリス・アレン、ウォーレス・マクドナルド、アル・セント・ジョン
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を除く
出典
[編集]- ^ #大野 (2007) p.253
- ^ a b #ロビンソン (上) p.159
- ^ a b #Ted Okuda p.33
- ^ #ロビンソン (上) p.160
参考文献
[編集]- チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫(訳)、新潮社、1966年。ISBN 4-10-505001-X。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347430-7。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 下、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347440-4。
- 大野裕之『チャップリン再入門』日本放送出版協会、2005年。ISBN 4-14-088141-0。
- Charlie Chaplin at Keystone And Essanay: Dawn of the Tramp - Google ブックス
- 大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年。ISBN 978-4-14-081183-2。
外部リンク
[編集]- The Star Boarder - IMDb
- The Star Boarder - youtube(BGM有り)