金継ぎ

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金継ぎ

金継ぎ(きんつぎ)とは、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分をによって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法である。金繕い(きんつくろい)とも言う。

歴史[編集]

破損部をで修復した痕跡は縄文土器にもみられる。室町時代以降、蒔絵など漆を使う工芸技術と、修理した器もありのまま受け入れる茶道精神の普及により、金継ぎに芸術的な価値が見いだされるようになった。本阿弥光悦作の赤楽茶碗(銘「雪峰」)のように、文化財に指定されたり、骨董として珍重されたりする金継ぎ陶磁器もある。現代においても、愛用の器を修理して長く使い続けたり、金継ぎの過程や跡をアートとして楽しんだりするために、金継ぎの請負業者や教室が存在している[1]

概要[編集]

金継ぎは、通常5つのステップからなる。[2] [3]

  1. 破片の接着 漆そのままでは、塗った直後の接着力がないため、小麦粉を漆と水で練った麦漆を塗って接着し固化させする。
  2. 欠けの埋め 漆を厚塗りすると乾きが遅く、縮んで表面が平滑にならない為、漆に米粒・刻苧(こくそ)綿・木粉を混ぜた刻苧漆で欠けた部分を埋める。
  3. 凹凸の埋め 漆に砥の粉と水を加えて練った錆漆を割れに沿って塗布し、乾燥した後ヤスリ等で削って平坦にする。
  4. 下地作り 金粉の発色をよくするため、弁柄(べんがら)漆を割れ目に沿って塗布する。
  5. 金粉撒き 漆と継ぎ目の上から金または銀、白金などの金属粉を撒いて磨き、修復部分を美しく装飾する。 銀を用いた直しを銀継ぎ、白金を用いた直しを白金継ぎとも呼ぶ。

金継ぎに取りかかる前は、器と破片を洗ってよく乾かすことも肝要である。破片が失われている場合など、欠損の穴埋めとして異なる器の陶片を用いて継ぐことを「呼び継ぎ」と言う。修復された器の継ぎ目を景色と呼び、破損前とは異なる趣を鑑賞することができる。

出典[編集]

  1. ^ 【文化の扉】金継ぎで器にお化粧 繕いを新たな美に・全国で体験教室盛ん朝日新聞』朝刊2017年9月3日
  2. ^ 播与漆行 http://urushi.jp 金継ぎ行程解説書
  3. ^ 金継ぎ図書館 http://hatoya-f.com/