過テクネチウム酸塩

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過テクネチウム酸塩(かテクネチウムさんえん、: pertechnetate)は、オキソアニオンである過テクネチウム酸イオン TcO4- を含む化合物である。放射性元素であるテクネチウム Tc の便利な水溶性塩として用いられる。特に、いくつかの核医学検査で一般的に使われる 99mTc(半減期6時間)の運び屋として用いられる。

過テクネチウム酸塩は過テクネチウム酸の塩である。過マンガン酸塩アナログであるが、酸化力は低い。

99mTc の運び屋としての過テクネチウム酸塩の使用[編集]

テクネチウム99mジェネレータ (別名: cow) は、医療用の半減期が短い放射性同位体 99mTc を含む過テクネチウム酸塩を供給する。99mTc はジェネレータの中でアルミナに担持された 99MoO42- から直接発生する。過テクネチウム酸塩は、甲状腺上皮細胞中の Na/I Symporter (NIS) チャネルのヨウ素を置換できるので、甲状腺上皮細胞へのヨウ素の取り込みを阻止することができる。99mTc-過テクネチウム酸塩は甲状腺の画像診断に用いられる[1]

メッケル憩室の診断で行われるように、99mTc で標識された過テクネチウム酸塩は、異所性胃組織の検査のために投与されるマーカーでもある。この画像診断法は、別名“メッケルスキャン”として知られる[2]

放射能を利用しない過テクネチウム酸塩の使用[編集]

すべてのテクネチウム塩は穏やかな放射能をもっているが、その一部は化学的性質について研究されている。これらの利用においてはその放射能は付帯的で、通常最小の放射能の(最も半減期が長い)Tc が用いられる。特に、工業的に手に入りやすい[要出典] 99mTcの崩壊生成物であり、その核異性体である 99Tc(半減期211,000年)が腐食研究に用いられる。理論的には、最長の半減期をもつ 97Tc(半減期260万年)が最適な同位体であるとされる。

過テクネチウム酸塩の溶液は、の表面で反応し酸化テクネチウム(IV)を形成するため、陽極防食剤として働くことができる。

出典[編集]

  1. ^ Ryo, U.Y.; Vaidya, P.V.; Schneider, A.B.; Bekerman, C; Pinsky, S.M. (1983). “Thyroid imaging agents: a comparison of I-123 and Tc-99m pertechnetate”. Radiology 148 (3): 819–822. PMID 6308711. 
  2. ^ Diamond, Robert; Rothstein, Robin; Alavi, Abass (1991). “The Role of Cimetidine-Enhanced Technetium 99m-Pertechnetate Imaging for Visualizing Meckel's Diverticulum”. The Journal of Nuclear Medicine 32 (7): 1422–1424. http://jnm.snmjournals.org/cgi/reprint/32/7/1422.pdf.