貴婦人の肖像 (ティツィアーノ)

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『貴婦人の肖像』
イタリア語: Ritratto di signora
英語: Portrait of a Lady
作者ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
製作年1525年–1565年頃
種類油彩キャンバス
寸法63.5 cm × 51.8 cm (25.0 in × 20.4 in)
所蔵シカゴ美術館シカゴ

貴婦人の肖像』(きふじんのしょうぞう、: Ritratto di signora, : Portrait of a Lady)は、イタリアルネサンス期のヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオが1525年から1565年頃に制作した絵画である。油彩。現在はシカゴにあるシカゴ美術館に所蔵されている[1]。またイタリアの個人コレクションに1点の別のバージョンが所蔵されている[2]

作品[編集]

ティツィアーノは鑑賞者を見つめる女性の胸像を描いている。彼女は黒いダブレットを着ており、小さなフリルのある白い袖口を誇示するかのように、右手をネックラインの高さまで上げて、頭の左側から垂れ下がっているヴェールのひだを持っている[3]

絵画の帰属は不明であるが、長い間ティツィアーノと結びついており、パラティーナ美術館所蔵の『ラ・ベッラ』(La Bella)や美術史美術館所蔵の『毛皮を着た若い女性』(Ragazza in pelliccia)と関連している。本作品は『ジュリア・ゴンザーガの肖像』というタイトルで呼ばれていたが[4]、しかし、その名前のイタリアの貴族出身の女性との同一性はもはや受け入れらておらず、現在では単に『貴婦人の肖像』と呼ばれている[5]

絵画の保存状態は悪く、1960年代に初期の修復塗装が除去された。画面上部の背景と女性像の髪の一部の絵具と下地が失われている。背景、モデルの顔の左側、胸の所々に絵具の塗装面が摩耗している[5]

来歴[編集]

肖像画はもともとイタリアの個人コレクションが所有していた作品で、1928年から1930年にかけて、ニューヨークの美術商ベーラー・アンド・シュタインマイヤー(Böhler and Steinmeyer)で販売され、シカゴの実業家マックス・エプスタイン(Max Epstein, 1875年-1954年)が購入した。1929年のエプスタイン・コレクションの目録には含まれていない。エプスタインが死後した1954年にシカゴ美術館に遺贈された[1]

複製[編集]

マドリードセラルボ美術館英語版に本作品の複製が所蔵されている[3][5]。セラルボ美術館は1922年に死去したセラルボ侯爵エンリケ・デ・アギレラ・イー・ガンボア英語版の美術品のコレクションを収蔵した美術館で、本作品は侯爵時代からヴェネツィア派の作品としてコレクションに登録されていた[3]

ギャラリー[編集]

関連作品

脚注[編集]

  1. ^ a b Portrait of a Lady”. シカゴ美術館公式サイト. 2023年11月17日閲覧。
  2. ^ Sabbioneta celebra la bellezza, nel segno di Giulia Gonzaga”. OglioPoNews. 2023年11月17日閲覧。
  3. ^ a b c Retrato de dama”. Red Digital de Colecciones de Museos de España. 2023年11月17日閲覧。
  4. ^ Paintings in the Art Institute of Chicago 1961, p. 451.
  5. ^ a b c Lloyd 1993, p. 246.

参考文献[編集]

外部リンク[編集]