至元法宝勘同総録
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『至元法宝勘同総録』(しげん ほうほう かんどう そうろく)とは、中国元代の慶吉祥らが勅を奉じて編纂した経録(一切経目録)である。10巻。1289年(至元26年)に世祖の命によって編纂が開始され、3年を経て完成した。「至元録」と略称される。
概要
[編集]仏典の流通および訳経の不備を慮った元の世祖の命によって、釈教総統の合台薩里が中心となり、葉璉(帝師であるパクパの門弟)、斎牙答思(ウイグル人)、慶吉祥、安蔵(翰林院承旨)ら28名を大都に召集し、編纂させた一切経目録である。
その特色としては、梵本の書名が知られるものには、漢字を用いてサンスクリット表記を行なっていること、『西蔵大蔵経目録』との対校を行い、その有無を注記したこと、諸経論を顕教・密教の二部に分類したことが、あげられる。その背後には、チベット仏教の影響が顕著に見られる。
至元録は、現在に至るまで、中国で編纂された最後の一切経目録となっている。
構成
[編集]テキスト
[編集]- 『大正新脩大蔵経』別巻「昭和法宝総目録」巻2