経口腸管洗浄剤

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経口腸管洗浄剤(けいこうちょうかんせんじょうざい)とは腸管内容物を洗浄流去する為の経口の薬剤である。主に大腸内視鏡検査や大腸手術の前処理として使用される。ゴライテリー液とも呼ばれる。 ゴライテリーは製品名であり、正しくはPEG(ポリエチレングリコール製剤)である。 マグコロールニフレックムーベンオーペグスクリットニフプラスロレナック等の商品名で販売されている。 またPEG製剤のほかには高濃度のマグネシウム製剤であるマグコロールがある。マグコロールはスポーツドリンクに似た味であり、比較的飲みやすいとされる。ただし洗浄効果がニフレックやムーベンに比べて劣っているという評価が多い。また高齢者での安全性が懸念されており、メインとなっている製剤はPEG製剤である。 ほかにも錠剤を多量の水で服薬するビジクリアという薬剤がある。主成分はリン酸ナトリウムからできているが、こちらに関しては副作用で死亡や腎不全が報告されており、国内で浸透はしていない。 味が悪く飲みにくいとされていたニフレックとムーベンは2004年にレモン味に変更され、若干ではあるが飲みにくさが改善された。[1][2]

直近の腸管洗浄剤はモビプレップというものが発売された。これはニフレック、ムーベンよりも高張の浸透圧となっており、服薬には水分補給が必要となってくる製剤であるが、患者受容性は従来のものより改善された。


概要[編集]

成分は クエン酸マグネシウム(マグコロールのみ)あるいは、塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸水素ナトリウム無水硫酸ナトリウムを配合したもの(ニフレックなど)であり、腸管での電解質組成と等張になるように調製してある。粉末として包装されているので用時水に溶解させて使用する。

腸管での水分吸収は電解質が吸収されることで発生する腸管内と体内の間の浸透圧差に応じて水分が移動することにより起こる。腸管で吸収できる電解質の量には限りがあるため、等張の電解質液を大量に経口摂取すると浸透圧差が小さくなる。それ故、経口摂取した水分の殆どが腸管に滞留し峻下作用を表す。また継続的に投与することで腸管内の固形物を流去させる。経口腸管洗浄剤に先立って、前日および当日には低残渣の検査食の使用や食事制限が施される。また他の下剤や消化管運動機能改善剤(モサプリドクエン酸塩錠、ガスモチン(R))を併用する場合もある。ただしこれらの処置は保険適応外である。


使用方法[編集]

通常2L程度を使用するが、その全量を適宜分割して2時間程度の時間をかけて経口投与する。一日の最大使用量は4Lとされている。そして腸内の固形物を効率よく洗浄するために最初の500mL程度はゆっくりと飲むことが指示される。投与開始1時間ほどで肛門からの排泄が始まるが、その時点でも経口投与は継続する。排泄される液は当初は腸管内の固形物や濁りを含むが、排泄が進むにつれて澄明になり最終的には胆汁由来の着色(黄色)が認められる透明な液体が排泄されると腸内洗浄は十分である。液が残存すると内視鏡検査等の障害となるので腸管洗浄剤の排泄が完了してから検査あるいは手術に臨むことになる。

大腸造影の場合は、造影剤の付着を避けるため、クエン酸マグネシウムを用いる。

副作用[編集]

副作用としては、峻下作用を持つために腹部膨満感、ゴロゴロ、腹痛、吐き気などを催す場合もある。また、消化管には一日当たり約8リットルの消化液が分泌され、通常はその分泌された水の全量が再吸収されるが、経口腸管洗浄剤により水分の再吸収が抑制されるので脱水症状を引き起こす場合がある。その際には、めまい、ふらつき、さむけ、脱力感、一過性の血圧低下などの症状が現れる。

経口腸管洗浄剤は腸管穿孔あるいは腸閉塞の患者には使用禁忌である。また腸閉塞になることが疑われる患者に使用することで実際に腸閉塞に陥ったり、腸閉塞で壊死していた腸管が出血、腸管穿孔するなど重篤な副作用が現れる例があるので、重篤な便秘状態の患者は検査前の診察時にその点を医者によく説明すべきである。[3]

他の注意すべき副作用として、糖尿病治療患者への食事制限に起因する低血糖症、低ナトリウム血症ショックアナフィラキシー様症状、マロリー・ワイス症候群などがある。

注釈[編集]

  1. ^ 味の素株式会社 ニフレック
  2. ^ 日本製薬株式会社 ムーベン
  3. ^ 経口腸管洗浄剤「ニフレック」等による腸管穿孔及び腸閉塞に関する緊急安全性情報の発出について

関連項目[編集]