田作
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田作、または田作り(たづくり、たつくり)は、カタクチイワシの幼魚の乾燥品、およびそれを調理した料理。別名、ごまめ(鱓、五万米、五真米、古女)、ことのばら。正月のおせち料理、祝い肴として欠かせないものの一つである。
概要
[編集]乾燥させた小さいカタクチイワシを乾煎りし、冷ましてから、醤油、みりん、砂糖、赤唐辛子少量を煮詰めた液を絡めてつくる。
健全を意味する「まめ」の字が入ること、豊作を祈念する祝い肴であることから、京都御所において年始の儀式用に用いられたことが、正月祝いや祝儀としてのはじまりとされる[1]。田植祝い(さなぶり)でも豊作を祈念し食べられた[2]。
語源
[編集]田作りという名称は、干したイワシ(主にカタクチイワシ)を「干鰯(ほしか)」と称して、田畑の高級肥料(金肥)として使われていた事に由来し、豊作を願って食べられた[3][4]。
別名のごまめの語源は「細群」(こまむれ)だが、祝い肴であることから「五万米」「五真米」の文字があてられたとする説[5]、目がゴマのように黒いことからごまめの名がついたとする説[6]、豊穣を祈ったことから「五万米」と名付けられ、転訛したとする説[7]などがある。
ごまめという単語を使ったことわざとして、ごまめの歯ぎしりがある。実力の無い者が、無闇に悔しがったりジタバタとすることの例えである。
脚注
[編集]- ^ 岡田哲 編「たべもの起源辞典」東京堂出版、p.168。ISBN 4-490-10616-5
- ^ 岡田芳朗, 阿久根末忠 編著「現代こよみ読み解き辞典」柏書房、p.98
- ^ 語源由来辞典 - 田作り
- ^ 小泉武夫「正月の食卓」『學燈』第95巻第1号、丸善、1998年、13頁。
- ^ 語源由来辞典 - ごまめ
- ^ 滝口明秀, 川﨑賢一 編「干物の機能と科学」朝倉書店、p.144。ISBN 978-4-254-43548-1
- ^ 金田禎之「魚百選」本の泉社、p.135。ISBN 978-4-7807-1183-7