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'''オレステース'''(オレステス、Orestes, [[ギリシア語|希]]:{{lang|el|Ὀρέστης}})は、[[ホメーロス]]の[[叙事詩]]『[[イーリアス]]』に登場する[[ギリシア]]軍の総大将[[アガメムノーン]]の息子で[[ミュケーナイ]]の王子である。殺伐とした復讐譚『[[オレステイア]]』の主人公で、『イーリアス』をめぐる[[因果応報]]を精算する人物として描かれている。
'''オレステース'''(オレステス、Orestes, [[ギリシア語|希]]:{{lang|el|Ὀρέστης}})は、[[ホメーロス]]の[[叙事詩]]『[[イーリアス]]』に登場する[[ギリシア]]軍の総大将[[アガメムノーン]]の息子で[[ミュケーナイ]]の王子である。殺伐とした復讐譚『[[オレステイア]]』の主人公で、『イーリアス』をめぐる[[因果応報]]を精算する人物として描かれている。



2012年7月18日 (水) 00:08時点における版

The Remorse of Orestes - ウィリアム・アドルフ・ブグロー (1862)

オレステース(オレステス、Orestes, Ὀρέστης)は、ホメーロス叙事詩イーリアス』に登場するギリシア軍の総大将アガメムノーンの息子でミュケーナイの王子である。殺伐とした復讐譚『オレステイア』の主人公で、『イーリアス』をめぐる因果応報を精算する人物として描かれている。

子供の頃に母クリュタイムネーストラーとその情夫アイギストスによって父アガメムノーンを殺され、自身も命を狙われるが、姉エーレクトラーの手引きで脱出する。成長したオレステースは従兄弟のピュラデースを伴い父の仇であるアイギストスを殺し、次いで息子に命乞いをする実母クリュタイムネストラーを手にかけた。しかしこの後、母殺しの罪によって復讐の女神たちの呪いを受け狂人となってしまう。だが、太陽神アポローンの助けを借りたエーレクトラーによって正気を取り戻し、自分の犯した殺人の正否を問うため、アレオパゴスの丘で神々の裁判を受ける。神々の意見は二つに割れたが、アポローンとアテーナーがオレステースを弁護したため無罪となる。

神々の許しを得たオレステースは、さらなる復讐の旅に出かける。まず自分の義理の伯母でありトロイア戦争のきっかけとなった美女ヘレネーを殺した。殺害理由は、『父アガメムノーンを10年に及ぶ戦争に連れ出し、家族崩壊の原因を作った不義の女を成敗する』というものだった。さらに、幼少時の自分の恋人であったヘレネーの娘ヘルミオネーアキレウスの息子ネオプトレモスに嫁いでいることを知ると、彼に決闘を申し込み殺した。ネオプトレモスは、トロイア戦争でトロイアの王プリアモスを殺し、勇将ヘクトールの遺児アステュアナクスを寡婦アンドロマケーの手から奪い城壁の外に投げ捨て惨殺、アンドロマケーを戦利品(奴隷)にした人物である。そのため、ヘレネーと同様にトロイア戦争での行いの報いを、オレステースの刃によって受ける形になっている。

その後、オレステースはミュケーナイに戻り王となり、スパルタの王である義父メネラーオス(ヘレネーの夫)の死後はスパルタ王も兼任した。

先代
メネラオス
スパルタ王(神話時代)
次代
ティサメノス


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