「銅アンモニアレーヨン」の版間の差分

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2010年4月13日 (火) 12:45時点における版

銅アンモニアレーヨン(どうアンモニアレーヨン、cuprammonium rayon)は、再生繊維の一種。キュプラベンベルグとも呼ばれる。吸放湿性に優れ、一般的なレーヨン (ビスコースレーヨン) に比べ、耐久力や耐摩耗性などに優れている。

製法

銅アンモニアレーヨンの生産には銅アンモニア溶液 (シュバイツァー溶液) を用いる。この溶液は硫酸銅アンモニア水を加え、塩基性硫酸銅とし、水酸化ナトリウムを加えることで作られる。この溶液は銅アンモニア錯体が生じ、セルロース溶解させることが出来る。このセルロースを溶解させた銅アンモニア溶液を酸性の水中に押し出すことで、セルロースが再生し、繊維を生じる。各反応は次のとおりである。

  • Cu(OH)2 + 4NH3 → [Cu(NH3)4](OH)2
  • 2(C6H10O5)n + n[Cu(NH3)4](OH)2 → {(C6H9O5)2[Cu(NH3)4]}n + 2nH2O
  • {(C6H9O5)2[Cu(NH3)4]}n + 3nH2SO4 → 2(C6H10O5)n + nCuSO4 + 2n(NH4)2SO4

原料

セルロース源としては次のものが用いられる。

  • コットンリンター
  • 高純度木材パルプ

通常はコットンリンターが用いられる。コットンリンターとは、綿花種子周辺に存在しているごく短い繊維のことである。