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2009年8月30日 (日) 09:13時点における版

自我心理学(じがしんりがく、: Ich Psychologie)は、アンナ・フロイトによって創始された精神分析の一学派。一般心理学における自我心理学と区別するために、特に精神分析的自我心理学とよばれることもある。ジークムント・フロイト自我: Ich)・超自我(: Über Ich)・エス(: Es)という構造論のうち、自我の機能を重視し、研究を発展させた。代表的な研究者に、自我の防衛機制を整理・分類したアンナ・フロイト、自我の適応機能を重視したハインツ・ハルトマン、心理社会的発達段階を仮定したエリク・エリクソンらがいる。

1930年代から40年代にかけて繰り広げられた「アンナ‐クライン論争」において、父フロイトが娘アンナを支持したことから、一般に正統派精神分析と位置づけられている。ただし、この点については、フロイトの情実が絡んでいたのではないかという見方をする向きも少なくない。

他学派からは、もっぱら表層的な解釈に終始しているという批判に長くさらされてきた。これは、本学派が主に意識をコントロールする自我の優位性を強調したためである。無意識の働きを重視するクライン学派や、その流れを汲む対象関係論学派などと激しく対立したのも、このことに起因している。

フランスの精神分析家ジャック・ラカンは、創始者のアンナ・フロイトに引っ掛けて、「アナ・フロイディズム」(反フロイト派)と揶揄したが、これはラカンがフロイト理論の真価を一連の無意識に関する考察に見出したことによる。このことは、ラカンがメラニー・クラインの業績を高く評価していることからもうかがえる。

本邦では、1960年代から70年代初頭にかけて、精神分析学者の小此木啓吾らによって、積極的に紹介がなされた。

関連人物

関連項目