「ダブ・プレート」の版間の差分

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これらダブ・プレートは、通常はサウンド・システムのために作られた、一般にリリースされない録音、入手できないバージョン、あるいは既存の録音のリミックスである(最終的には一般に流通することもある)。一般に発売されるビニール盤よりもはるかに安価で作ることが可能なため、リリースする前の市場の評価を調査する目的等に使用される。しかしアセテート盤は寿命が限られていて、再生回数50回ほどまでしか良好な音質を保つことができないため、通常のレコードと同じようにビニール盤で作られることもある。
これらダブ・プレートは、通常はサウンド・システムのために作られた、一般にリリースされない録音、入手できないバージョン、あるいは既存の録音のリミックスである(最終的には一般に流通することもある)。一般に発売されるビニール盤よりもはるかに安価で作ることが可能なため、リリースする前の市場の評価を調査する目的等に使用される。しかしアセテート盤は寿命が限られていて、再生回数50回ほどまでしか良好な音質を保つことができないため、通常のレコードと同じようにビニール盤で作られることもある。


レゲエのサウンド・システムは、しばしば[[サウンド・システム#サウンド・クラッシュ|サウンド・クラッシュ]]と呼ばれるショーにおいて、互いに音で競い合う。このため、ライバルに勝つために、サウンド・システムは本来市場調査やプロモーション目的で使われていたダブプレートを「武器」として使用するようになった。自らのサウンド・システムでしか掛けることの出来ないより新しく、より珍しいダブ・プレートを録音するのである。このようなダブ・プレートを特に90年代以降は「スペシャル」と言うようになった。大抵はヒットした曲の替え歌を本人(もしくは他のアーティスト)に依頼して録音したもので、自分のサウンド・システムを賞賛したり、相手側のサウンド・システムの弱点が歌われたりする。日本のサウンド・システム・シーンにおいては「仕込み」とも呼ばれている。
レゲエのサウンド・システムは、しばしば[[サウンド・システム#サウンド・クラッシュ|サウンド・クラッシュ]]と呼ばれるショーにおいて、互いに音で競い合う。このため、ライバルに勝つために、サウンド・システムは本来市場調査やプロモーション目的で使われていたダブプレートを「武器」として使用するようになった。自らのサウンド・システムでしか掛けることの出来ないより新しく、より珍しいダブ・プレートを録音するのである。このようなダブ・プレートを特に1990年代以降は「スペシャル」と言うようになった。大抵はヒットした曲の替え歌を本人(もしくは他のアーティスト)に依頼して録音したもので、自分のサウンド・システムを賞賛したり、相手側のサウンド・システムの弱点が歌われたりする。日本のサウンド・システム・シーンにおいては「仕込み」とも呼ばれている。


現在のダブ・プレートは、アセテート盤でわざわざ作るよりも、ビニール盤で少量生産するか、またはCD-Rなどで録音されることの方が多いが、ダブ・プレートと言う名前は残っている。特に人気のあるサウンド・システムのダブ・プレートは、編集されてリリースされることもある。
現在のダブ・プレートは、アセテート盤でわざわざ作るよりも、ビニール盤で少量生産するか、またはCD-Rなどで録音されることの方が多いが、ダブ・プレートと言う名前は残っている。特に人気のあるサウンド・システムのダブ・プレートは、編集されてリリースされることもある。

2008年3月8日 (土) 07:20時点における版

ダブ・プレート(Dubplate)は本来、直径12インチ、または10インチ、7インチのアセテート盤である。この名称は主にレゲエサウンド・システムにて作られた言葉だが、ドラムンベースやその他のダンスミュージックのDJやサウンド・システムにおいても使用される。単にダブ、またはスペシャルと呼ばれることもある。

これらダブ・プレートは、通常はサウンド・システムのために作られた、一般にリリースされない録音、入手できないバージョン、あるいは既存の録音のリミックスである(最終的には一般に流通することもある)。一般に発売されるビニール盤よりもはるかに安価で作ることが可能なため、リリースする前の市場の評価を調査する目的等に使用される。しかしアセテート盤は寿命が限られていて、再生回数50回ほどまでしか良好な音質を保つことができないため、通常のレコードと同じようにビニール盤で作られることもある。

レゲエのサウンド・システムは、しばしばサウンド・クラッシュと呼ばれるショーにおいて、互いに音で競い合う。このため、ライバルに勝つために、サウンド・システムは本来市場調査やプロモーション目的で使われていたダブプレートを「武器」として使用するようになった。自らのサウンド・システムでしか掛けることの出来ないより新しく、より珍しいダブ・プレートを録音するのである。このようなダブ・プレートを特に1990年代以降は「スペシャル」と言うようになった。大抵はヒットした曲の替え歌を本人(もしくは他のアーティスト)に依頼して録音したもので、自分のサウンド・システムを賞賛したり、相手側のサウンド・システムの弱点が歌われたりする。日本のサウンド・システム・シーンにおいては「仕込み」とも呼ばれている。

現在のダブ・プレートは、アセテート盤でわざわざ作るよりも、ビニール盤で少量生産するか、またはCD-Rなどで録音されることの方が多いが、ダブ・プレートと言う名前は残っている。特に人気のあるサウンド・システムのダブ・プレートは、編集されてリリースされることもある。

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