渦度・流れ関数法

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渦度・流れ関数法とは、2次元非圧縮性ナビエ・ストークス方程式(NS方程式)の未知変数を減らして解析を簡単にするための手法のひとつ。NS方程式には未知変数がx 方向速度、y 方向速度、圧力の3つあるが、これを渦度ζと流れ関数ψの2つにする方法である。

導出[編集]

次の2式から始める:

2次元非圧縮性NS方程式
\frac{\partial\boldsymbol{u}}{\partial t}+(\boldsymbol{u}\cdot\nabla)\boldsymbol{u}=-\frac{1}{\rho}\nabla p + \nu\nabla^2\boldsymbol{u}
連続の式
\nabla\cdot\boldsymbol{u} = 0

以上の2式には、未知変数が速度ux 方向成分、y 方向成分、および圧力の3つある。NS方程式の回転をとり、連続の式と連立させることによって、次の渦度輸送方程式を導くことができる:

\frac{\partial\zeta}{\partial t} + (\boldsymbol{u}\cdot\nabla)\zeta = \nu\nabla^2\zeta

ここで、ζは渦度である[1]

\zeta = \operatorname{rot} \boldsymbol{u}

さらに流れ関数ψを、次式を満たす関数と定義する:

\boldsymbol{u} = \left(\frac{\partial\psi}{\partial y},\,-\frac{\partial\psi}{\partial x}\right)

すると次の式に書き換えることができる:

\nabla^2\psi = -\zeta
\frac{\partial\zeta}{\partial t} + \frac{\partial\psi}{\partial y}\frac{\partial\zeta}{\partial x} - \frac{\partial\psi}{\partial x}\frac{\partial\zeta}{\partial y} = \nu\nabla^2\zeta:渦度輸送方程式

上式は未知変数が渦度ζと流れ関数ψの2つだけであり、元のNS方程式に比べ、解析が簡単になる。

脚注[編集]

  1. ^ 2次元流れのため、渦度ベクトルは流れの平面に直交する成分のみ値を持つ。

参考文献[編集]

  • Joel H. Ferziger; Milovan Perić; 小林敏雄、谷口伸行、坪倉誠訳 『コンピュータによる流体力学』 シュプリンガー・フェアラーク東京、2003年、176頁。ISBN 4-431-70842-1