斜めCT

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斜めCT(ななめCT)とは、X線検査装置のうち傾斜コーンビーム方式を用いたCT装置を指す。

名前のとおり、斜めCTは、X線を斜め方向から対象物体に照射し、検出器でその透視画像を各方向から撮影することで、対象物体の断層像を得る。一般的に、斜めCT装置では回転台に対象物体を置き、回転台を回すことによって各方向から撮影画像を得る。基板のような薄い物体の断層像を得て、その欠陥を発見することができる。

2008年現在、斜めCTでは、検出器を垂直方向から水平方向まで置いて撮影した画像に対して、対象物体の断層像を得ることができる。対象物体の断層像を得るアルゴリズムは、3次元CT画像再構成法であるFDK法から導出できる。すなわち、検出器を垂直方向に置いた時は、FDK法をそのまま使って画像再構成を行い、他の方向に置いた場合は、座標変換を行って、FDK法の導出方法に合わせれば、すぐに再構成数式が導出できる。

応用領域[編集]

垂直検出器撮像方法および座標系[編集]

まず、検出器座標系を次のように表示する。

\vec{e}_u = (-\sin\lambda, \cos\lambda, 0),   \vec{e}_w = (0, 0, 1).

また、

\overline{v}=x\cos\lambda+y\sin\lambda

とすると、検出器上の点 (\overline{u},\overline{w}) と対象物体の座標系の点 (x, y, z) の関係は、次のように表示することができる。

\overline{u}=\frac{R}{R-\overline{v}}(-x\sin\lambda+y\cos\lambda),     \overline{w}=\frac{R}{R-\overline{v}}(z-d) + d.

垂直検出器撮像の再構成方法[編集]

コーンビームCT画像再構成であるFDK法は、次のように表示できる。

f(x,y,z) = -\frac{1}{4\pi^2}\int_0^{2\pi} d\lambda \frac{R^2}{(R-\overline{v})^2} \int du h(\overline{u} - u) g_\lambda(u, \overline{w}) \frac{R}{\sqrt{R^2+u^2+(\overline{w}-d)^2}}.

上述の式において、関数h() はRampフィルタである。

水平検出器撮像方法および座標系[編集]

まず、検出器座標系を次のように表示する。

\vec{e}_p = (-\sin\lambda, \cos\lambda, 0),   \vec{e}_q = (-\cos\lambda, -\sin\lambda, 0).

検出器上の点 (\overline{p},\overline{q}) と対象物体の座標系の点 (x, y, z) の関係は、次のように表示することができる。

\overline{p}=\frac{d}{d-z}(-x\sin\lambda+y\cos\lambda),     \overline{q}=-\frac{d}{d-z}(x\cos\lambda+y\sin\lambda) + \frac{Rz}{d-z}.

水平検出器撮像の再構成方法[編集]

まず、座標変換を行い、その結果をFDK法を導出する式に合わせると、画像再構成式は次のようになる。

f(x,y,z) = -\frac{1}{4\pi^2}\int_0^{2\pi} d\lambda \frac{R^2}{(R-\overline{v})^2} \int dp h(\overline{p} - p) g_\lambda(p, \overline{q}) \frac{(R+\overline{q})^2}{R\sqrt{(R+\overline{q})^2+p^2+d^2}}.

任意検出器撮像方法および座標系[編集]

まず、任意検出器座標系を次のように表示する。

\vec{e}_\varphi = (-\sin\lambda, \cos\lambda, 0),   \vec{e}_\chi = (-\cos\lambda, -\sin\lambda, 0)\sin\theta + (0,0,1)\cos\theta.

検出器上の点 (\overline{\varphi},\overline{\chi}) と対象物体の座標系の点 (x, y, z) の関係は、次のように表示することができる。

\overline{\varphi}=\frac{(R\cos\theta+d\sin\theta)(-x\sin\lambda+y\cos\lambda)}{(R-x\cos\lambda-y\sin\lambda)\cos\theta + (d-z)\sin\theta},     \overline{\chi}=\frac{Rz-d(x\cos\lambda+y\sin\lambda)}{(R-x\cos\lambda-y\sin\lambda)\cos\theta + (d-z)\sin\theta}.

任意検出器撮像の再構成方法[編集]

まず、座標変換を行い、その結果をFDK法を導出する式に合わせると、画像再構成式は次のようになる。

f(x,y,z) = -\frac{1}{4\pi^2}\int_0^{2\pi} d\lambda \frac{R^2}{(R-\overline{v})^2} \int d\varphi h(\overline{\varphi} - \varphi) g_\lambda(\varphi, \overline{\chi}) \frac{(R+\overline{\chi}\sin\theta)^2}{R\sqrt{(R+\overline{\chi}\sin\theta)^2+\varphi^2+(d-\overline{\chi}\cos\theta)^2}}.