文成覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
文成覚
時代 飛鳥時代
生誕 不明
死没 不明
官位 小錦下
主君 天武天皇
氏族
古麻呂
テンプレートを表示

文 成覚(ふみ の じょうかく[1])は、飛鳥時代の人物。冠位小錦下壬申の乱における大海人皇子(天武天皇) 方の功臣。

経歴[編集]

姓の文氏(書氏)は、東漢氏に属する渡来系の氏族。

壬申の乱について記述する『日本書紀』の中に、成覚は現れない。元正朝霊亀2年(716年)壬申の乱における功臣の子に功田が与えられた際、成覚の子息である古麻呂が含まれていることから[2]、成覚が乱で功労があったと考えられる。孝謙朝天平宝字元年(757年)になって、成覚が与えられた功田4町が中功にあたり、2世に伝えるべきことを太政官が決めた[3]

没年は不明だが、同じ文直(書直)一族の書智徳天武天皇10年(681年八色の姓の制定に伴って姓から姓に改姓しており[4]、このとき他の氏人も同様に連姓に改姓したと考えられるため、直姓である成覚の死はそれ以前と推測できる。

脚注[編集]

  1. ^ 旧仮名遣いでの読みは「ふみのじゃうかく」。
  2. ^ 『続日本紀』霊亀2年4月8日条「贈小錦下文直成覚の息、従七位上古麻呂」
  3. ^ 『続日本紀』天平宝字元年12月9日条
  4. ^ 『日本書紀』天武天皇10年12月10日条

参考文献[編集]

  • 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年