支点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

構造力学において支点(してん、英語: support)とは、構造物と地盤あるいは構造物と構造物を結合し[1]、構造物を静止させ安定させる支持点のこと[2]。単に支持(しじ)ともいう[3]

橋梁においては、支承という装置に該当する[4]

構造物に荷重が作用し、その反作用で支点に発生する力を支点反力(してんはんりょく、英語: reaction[5])という[2]

支点の種類[編集]

支点には、拘束する変位(発生する反力)によって、3種類に分けられる。

表1: 支点の種類[6]
名称 模式図 略図 拘束(反力) 支点反力
鉛直 (V) 水平 (H) 回転 (M)
可動支点
Movable support (real).svg
Movable support 1.svg
あり なし なし
Movable support reaction.svg
1
Movable support 2.svg
回転支点
Hinged support (real).svg
Hinged support.svg
あり あり なし
Hinged support reaction.svg
2
固定支点
Fixed support (real).svg
Fixed support.svg
あり あり あり
Fixed support reaction.svg
3
中間ヒンジ(軸力部材)
Middle hinge axial (real).svg
Middle hinge.svg
あり あり なし
中間ヒンジ(はり部材)
Middle hinge beam (real).svg

可動支点[編集]

可動支点(かどうしてん、英語: movable support)は、鉛直方向の変位だけを拘束し、回転や水平方向に移動が可能な支点である[4]。 移動支点(いどうしてん)[7]、ローラー支点(ローラーしてん、英語: roller support[8]とも言う。

実際には、回転可能なピンと水平方向の移動が可能なローラーで構成される[7]

略図では、表1のように、三角形の下に横棒、あるいは三角形と横棒の間にいくつかの○で表される。

回転支点[編集]

回転支点(かいてんしてん)は、水平方向と鉛直方向の変位を拘束し、回転が可能な支点である[4]。 ヒンジ支点(ヒンジしてん、英語: hinged support)とも呼ばれる[9]

実際には、可動支点から、ローラーを除去し、地盤に固定したものとなっている[10]

略図では、表1のように、三角形で表される。

固定支点[編集]

固定支点(こていしてん、英語: fixed support)は、水平・鉛直・回転すべての変位を拘束し、どのようにも移動ができない支点である[4]固定端(こていたん、英語: fixed end)とも呼ばれる[9]

実際には、地盤や壁などに直接埋めこまれた状態にある支点となっている[11]

略図では、表1のように、固定部をハッチングで表す。

中間ヒンジ[編集]

支点(構造物と地盤や構造物と構造物を結語する点)ではないが、構造物を構成する部材同士を結合する装置に、中間ヒンジ英語: middle hinge)がある[12]

中間ヒンジは、部材と部材の間に蝶つがいを用いたようなもので、この点で部材は回転する(折れ曲がる)ことが可能となる[12]。よって、中間ヒンジ点では

  • 曲げモーメントが伝達されない(中間ヒンジ点周りの曲げモーメント総和がゼロとなる)
  • たわみ角が不連続となる

という性質をもつ。

表1のように、実際の形式は、引張力や圧縮力を伝える軸力部材の場合とはり部材では異なるが、略図ではどちらも同じ丸1つで表される。

参考文献[編集]

  • 崎本達郎 『基礎土木工学シリーズ1 構造力学 [上]』 森北出版、1991年ISBN 4-627-42510-4
  • 吉田俊弥 『朝倉土木工学講座2 構造力学』 朝倉書店、1967年ISBN 978-4254264326
  • 西野文雄、長谷川彰夫 『新体系土木工学7 構造物の弾性解析』 土木学会、技報堂出版、1983年ISBN 4-7655-1107-3
  • 二見秀雄 『構造力学 改訂版』 市ヶ谷出版社、1963年ISBN 978-4870711013
  • 米田昌弘 『構造力学を学ぶ ~基礎編~』 森北出版、2003年ISBN 4-627-46511-4
  1. ^ 二見(1963)、p.18。
  2. ^ a b 崎本(1991)、p.35。
  3. ^ 西野・長谷川(1983)、p.10。
  4. ^ a b c d 米田(2003)、p.7。
  5. ^ 二見(1963)、p.25。
  6. ^ 崎本(1991)、pp.36-40。
  7. ^ a b 崎本(1991)、p.36。
  8. ^ 吉田(1967)、p.10。
  9. ^ a b 吉田(1967)、p.11。
  10. ^ 崎本(1991)、p.37。
  11. ^ 崎本(1991)、p.38。
  12. ^ a b 崎本(1991)、p.40。