女鬼トンネル

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三重県道119号標識

女鬼トンネル(めきとんねる、Meki Tunnel)は、三重県道119号松阪度会線沿線の三重県多気郡多気町にあるトンネルである。正式名称は女鬼隧道(めきずいどう)[1]。本項目では、女鬼峠及び新女鬼トンネルについても記述する。

概要[編集]

熊野街道(熊野古道)伊勢路の最初の難所であった、女鬼峠の西にある[1]。鉄製の扉が入り口の両側に設置されているため、トンネルを通過することはできない。トンネル入り口に掲げられている「女鬼隧道」の文字は当時の三重県知事である早川三郎の筆。

  • 正式名称:女鬼隧道
  • 通称:女鬼トンネル、旧女鬼トンネル[2]
  • 略称:女鬼トン、女鬼
  • 起点:三重県多気郡多気町野中字成川
  • 終点:三重県多気郡多気町相鹿瀬(おうかせ)
  • 全長:103m[1]
  • 幅:4.0m[1]
  • 高さ:4.6m

新女鬼トンネル[編集]

  • 1996年平成8年)12月に開通。
  • 全長:241m
  • 幅:7m
  • 高さ:4.7m
  • 通行料:無料
  • 歩道も整備されている。
  • 旧女鬼トンネルと比べて規模が拡大し、通行しやすい。
  • トンネルの入り口には、所在地多気町の主産物である、の絵が描かれている。

女鬼峠[編集]

女鬼トンネルの東にある、旧熊野街道伊勢路の[1]。標高150m[1]。峠には観音像が祀られている[1]

千枚岩の切り通しになっている。江戸時代には「祢き峠(ねきとうげ)」、「ねぎ峠」等の名称も用いられた。往時の道の景観をよくとどめている。

案内看板を設置するなど、地元住民による整備が進められ、行楽地化しつつある。なお、整備が行われる以前は通行すら困難であったが、現在ではマウンテンバイクでも通行することができる。

歴史[編集]

  • 江戸時代以前:熊野街道伊勢路の一部として存在。女鬼峠は、伊勢路最初の峠道であった。
  • 1738年元文3年)-女鬼峠南側に如意輪観音の石仏が設置される。[3]
  • 1932年昭和7年)-三重県道119号松阪度会線として整備開始。
  • 1934年昭和9年)-女鬼トンネル(女鬼隧道)開通[1]
  • 1996年(平成8年)-新女鬼トンネル開通。これにより、旧女鬼トンネルは役目を終える。
  • 2000年(平成12年)4月-女鬼峠再生計画が開始。

出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編(1983):1053ページ
  2. ^ 新女鬼トンネルと区別するため「旧」を付けることも多い。
  3. ^ 石仏の台座の銘より…観光三重

外部リンク[編集]