契約書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

契約書(けいやくしょ)とは、契約を締結する際に作成される当該契約の内容を表示する文書をいう。当該契約の当事者が作成したことを証するために、署名や記名押印(実務上、両者は「調印」と呼ばれる。日本国民や日本法人である当事者については記名押印が通常である。)がなされる。日本法上は、一部の例外(保証契約など)を除き、契約の成立には契約書を作成することを必要としないから、契約書を作成しなくても当事者間で口頭による合意があれば契約が成立する。もっとも、重要な契約(不動産売買契約賃貸借契約金銭消費貸借契約、金額の大きな契約など)については、合意内容の明確化や紛争の防止等の理由から、契約書が作成されることが多い。

契約書の意義[編集]

上記の通り、日本の法律上は一部の例外を除き、契約書を作成する事を必要とせず、当事者間で口頭による合意があれば契約が成立する。つまり、契約書とは契約後に本来の役割として合意内容の明確化や紛争の防止等の為に作成される。

不動産売買の例(個人で売買する場合)で考えるならば

買主(売主)の申込→売主(買主)の受諾→両者の合意(契約成立)→契約書作成→債務履行

となり、両者の合意が得られた時点で既に契約は成り立っており、契約書はその後に作られる付随的なものに過ぎず、「契約書が作成されたから契約が成立した」といった物ではないという事に留意しなければならない。

契約書作成上の手順[編集]

内容の合意、書面化[編集]

契約書の内容は私的自治の原則により内容を自由に決定する事ができる、そしてその契約内容の決定は契約当事者の意思表示の合致(合意)が必要であるため、実務においては契約書の「案」を予め作成して置き、その案をたたき台として相手と交渉し、交渉によって案に修正、変更が加えられて最終的に合意したものを正式な契約書とする手順が採られる。契約の交渉の際には法律上、双方代理利益相反行為は原則的に禁止される為、また「意思表示」を書面化する為、日本に於いては報酬を得て当事者双方の意見を聞き契約書を作成する事を業務とする行政書士(代書人)の資格が存在する。また、企業の法務部等では契約は法律(強行法規)違反や公序良俗違反があると無効や取消しの主張を相手方からされる可能性がある為、契約案と法律(強行法規)の整合を調べる審査業務を行い「法務」等と呼ばれる。更に、ワードプロセッサーワープロソフトが普及した現在では、予め弁護士行政書士等専門家の作成した「雛形」を案として利用する例も多くみられる。また、企業と消費者が契約を行う場合、消費者側に交渉の余地の無い場合も多く、その対策として消費者保護を目的とする消費者契約法等の法律が存在する。また、弁護士やエージェント旅行代理店著作権エージェント、転職エージェント、スポーツ・エージェント等)が代理人に就任し本人の代わりに有利な法律行為(主張や締結)をする契約交渉代理人のサービスや、本人の代わりに本人の意思表示を伝達し相手の意思表示も伝達する使者 (法律用語)のサービスも存在するがその場合の契約書作成は行政書士(代書人)に依頼しない場合は、どちらか片方当事者が相手の主張を聞きまたは当事者の共同作業で作成する事になる。

契約書の日付[編集]

契約書の日付と、契約締結日の意味は異なる(同一日とすることは出来る)。また契約書の日付と別に契約の効力発生日を設ける事も出来る(例:許認可申請が下りた日付で発効する効力発生日を設定する事は出来る)。契約書の日付や契約締結日の日付が無い場合、時効の効力発生期限がいつであるかを争点とする争いになる場合もあるため日付があることが望ましい。

署名捺印[編集]

署名(サイン)や印章(押印(おういん)、捺印(なついん)、押捺(おうなつ))の方法で、合意された契約書上に合意者達の自己同一性を証明する証拠を残す。 条約や国際上の協定への各国代表のサインは調印と呼ぶが、私人間の契約書は署名捺印等と呼ばれる。

割り印[編集]

契約書が複数部作成された場合は、複数部が同一または関連の内容であることを示すために印章で割り印する。

印紙税[編集]

一定の類型の契約書を作成した場合、関連する金額に応じた収入印紙を貼付しなければならない(印紙税)。もっとも、これは契約の有効性に消長を来すものではない。

訴訟上の意義[編集]

民事訴訟においては契約書は典型的な処分証書であり、一般に、当該契約の成立及び内容を立証するための最も重要な証拠方法である。

書式[編集]

契約書の書式は予め決められていない。契約者が使っているひな型を契約する内容に合わせて編集することが多い。契約する側の正式名称や本名を「甲」、契約される側の正式名称や本名「乙」と省略することも多い。契約書で使われる数字は、漢数字で記述するのが一般的である。

関連項目[編集]