人形館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

人形館(にんぎょうかん)とは、渡辺茂によって作られたミュージカル風のである。 また、2015年に原作者によるリメイク版も出版されており、登場人物の追加や若干の台詞変更が行われている。

概要[編集]

1970年代から1980年代にかけて多くの小中学校で人気を博した。小中学生がこの劇を上演する際は、元の台本が若干リメイクされている場合が多い。

この作品は、1978年、東京都豊島区立雑司ヶ谷中学校演劇部と渡辺茂によって作られた。(渡辺茂にとっては9本目の作品である。)原案は当時の部員が提案したもの。その後、演劇部メンバーの人間性に合わせて各キャラクターを設定していったため、「'78雑演のあるメンバーしか雰囲気を出せないセリフがあり、」と渡辺茂本人が言っているように、初めはこの「演劇部のための演劇」であった。2006年夏、「人形館それからpartⅡ」を発表。この作品は前作人形館の続編である。しかし、間に未発表作「人形館それからpartⅠ」がはいるため、実質3作目といえる。部員7名の演劇部のために製作したため、人形の数は大幅に少なくなっている。

キャスト[編集]

人形館

  • 少女(春野香・ジェーン)
  • おばさん
  • ピッチ
  • ハッチ
  • チャップ
  • チョップ
  • ラン
  • ダン
  • ガム
  • メリー
  • ジャック
  • 香の母
  • 香の妹(さやか)
  • 友達1
  • 友達2

上演時間:約50分 出演人数:16人

人形館それからpartⅡ

  • 公司一茶(こんすいっさ)
  • ピッチ
  • ハッチ
  • チャップ
  • チョップ
  • ラン
  • 新しい人形
  • おばさん

上演時間:約50分 出演人数:8人

人形館2015

  • 少女(春野香・ジェーン)
  • おばさん
  • ピッチ
  • ハッチ
  • チャップ
  • チョップ
  • ラン
  • ダン
  • ガム
  • メリー
  • ジャック
  • ジョン
  • マイケル
  • ジャクソン
  • 香の母
  • 香の妹(さやか)
  • 友達1
  • 友達2


上演時間:約50分 出演人数:18人

あらすじ[編集]

人形館  舞台は町外れにあるさびれた「夢里人形館」。そこに、窮屈な人間世界が嫌になり、自由を求めて旅立ってきた少女 春野香が迷い込む。泊まる場所を探していた彼女は、管理人(おばさん)に許可を取ると、人形の置いてある部屋でそのまま寝てしまう。何時かを告げる時計の音が鳴り響いたとたん、人形たちは自分自身で糸を切り、踊り始める。少女の話を聞いた人形たちは、彼女に「ある提案」をする。

人形館それからpartⅡ  前作から数年後。数ヶ月前に閉鎖された「人形館」を夢界専門探偵・公司一茶が訪れる。深夜0時に自由になる人形たちは公司探偵を外敵とみなし、戦う。その中で、人形たちは信じられない事実を知る。

人形館2015  基本的には「人形館」と同じである。