三線極線

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ユークリッド幾何学において、三線極線(さんせんきょくせん、英:triliner polar)とは三角形と点について一意的に決まる直線のひとつである[1]。1865年、フランスの数学者ポンスレ (1788–1867)によって提言された[1][2]

定義[編集]

Pの三線極線
  ABC
  Pのチェバ三角形 DEF
  Pチェバ線
  三線極線 XYZ

ABC と点Pチェバ三角形配景の軸をP三線極線と言う。

つまりAP, BP, CPBC, CA, ABの交点をD, E, F、それぞれ直線の組(BC, EF), (CA, FD), (DE, AB)の交点をX, Y, Zとすると、デザルグの定理よりX, Y, Z共線である。このとき直線XYZPの三線極線という[1]

ABCにたいして直線Lが三線極線となるような、点PL三線極(triliner pole)または三線極点と言う。

三線座標Pp : q : rとするとPの三線極線は以下の等式で表される[3]

三線極[編集]

直線XYZの三線極
  直線XYZ
  ABC
  XYZに対するチェバ三角形UVW
  チェバ線とその交点、三線極P

LBC, CA, ABの交点をそれぞれX, Y, Z、直線の組(BY, CZ), (CZ, AX), (AX, BY)の交点をそれぞれU, V, Wとする。 ABCUVW は配景の関係にあり、その配景の中心PLの三線極となる。

三線極線の例[編集]

以下に有名な三線極線を挙げる[4]

三線極の束[編集]

定点Kを通る直線の三線極の軌跡は外接円錐曲線となる。

三線座標でPX : Y : ZKx0 : y0 : z0 とする。Pの三線極線は以下の式で表される。

この直線がKを通る場合、以下のように書くことができる。

逆に、この式を満たすPの軌跡は以下の式で表すことができる。

この式が表す曲線は外接円錐曲線Eとなる。

ABCと、外接円錐曲線Eに対する極線三角形Kを中心として配景的である[5][6]。 例えば、外接円の極線三角形は外接三角形で、外接円上の点に対する三線極線は類似重心を通る。

関連[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c Coxeter, H.S.M. (1993). The Real Projective Plane. Springer. pp. 102–103. ISBN 9780387978895 
  2. ^ Coxeter, H.S.M. (2003). Projective Geometry. Springer. pp. 29. ISBN 9780387406237. https://archive.org/details/projectivegeomet00coxe_193 
  3. ^ Weisstein. “Trilinear Polar”. MathWorld—A Wolfram Web Resource. 2012年7月31日閲覧。
  4. ^ Weisstein. “Trilinear Pole”. MathWorld—A Wolfram Web Resource.. 2012年8月8日閲覧。
  5. ^ Weisstein. “Perspector”. MathWorld—A Wolfram Web Resource.. 2023年2月3日閲覧。
  6. ^ Weisstein. “Polar Triangle”. MathWorld—A Wolfram Web Resource.. 2023年2月3日閲覧。

外部リンク[編集]