ローリングバレーボール

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ローリングバレーボールは、日本で考案されたバレーボールを模した球技。障害者と健常者が混合チームを編成して実施する、障害者スポーツの一種である。

歴史[編集]

1977年に、兵庫県立播磨養護学校の体育教師が、視覚障害者バレーボールを元に授業用のスポーツとして考案・実施したことが発祥とされる[1]

1981年には最初の社会人チームが発足した[1]

競技方法[編集]

コート[編集]

通常のバレーボールコートに対して、ネットの下端を床上30 - 35 cm 以下の高さで張る[1]。また、サイドラインとエンドラインの1 m 外側に「リターンライン」が引かれる[1]

チーム編成[編集]

原則、障害者4名以上、健常者2名以下のプレーヤーで編成する[1][2]

競技ルール[編集]

ネット下をボールを転がす形でプレーをおこなう[1][2]

自陣のコートを「アタックライン」を境に前衛、後衛に分け、そのエリア内のみプレーできる[2]。サイドライン・エンドラインとリターンラインで囲まれたエリア(リターンゾーン)では、2打目以降に限りボールに触れてもよい[2]

チームは前衛・後衛各3人に分かれ、サーブは後衛の右→左、前衛の左→右の順でおこなう[1]。サービスされたボールを3打以内に相手コートに返し、相手チームのボールがコートアウトすると得点となる点は通常のバレーボールと同様である[2]。通常のバレーボールと同じオーバータイムスとダブルコンタクトの反則のほかに、ホールディング(ボールを持ち上げて打つ)やアップボール(ボールがノーバウンドでコート外に出る)といった特有の反則が存在する[2]

前衛と後衛はプレー中に取れる姿勢が異なり、前衛は座位(両膝または臀部を接地)、後衛は立位である[1][2]。後衛の下肢にボールが当たると反則となる[2]

1セット15点制で、2セットを先取したチームの勝利となる(全3セット制)[1]

健常者のプレーヤーには下記のルールが適用される[2]

  • 1ラリーでのプレーは1打のみ
  • 1打目でのアタック無効(強打へのレシーブは適用外)
  • 平手での打撃は反則(手は軽く握る)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 春田文夫「ローリングバレーボールはだれにでも楽しめて熱くなるスポーツです」『月刊ノーマライゼーション』第18巻第1号、日本障害者リハビリテーション協会、1998年1月。 
  2. ^ a b c d e f g h i プロフィール - 東京都ローリングバレーボール連盟(「基本的なルール」を参照)2023年8月16日閲覧。

外部リンク[編集]