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ロシア皇太子ハンデキャップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロシア皇太子ハンデキャップ
Cesarewitch Handicap
開催国 イギリスの旗イギリス
競馬場 ニューマーケット競馬場
ローリーマイルコース
創設 1839年
2013年の情報
距離 芝2マイル2ハロン(約3621メートル)
格付け C2
賞金 賞金総額25万ポンド
出走条件 3歳以上
負担重量 ハンデキャップ
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ロシア皇太子ハンデキャップCesarewitch Handicap)はイギリスで行われる代表的なハンデキャップ競走である。秋のニューマーケット競馬場の目玉競走の一つである。1839年創設と長い歴史を持ち、イギリスの競馬では一般的に、単に「Cesarewitch」と言えばこの競走のことを指す。

概要

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1839年に創設された当時はイギリス国内で初めて、全国から競走馬を集めて行われるハンデ戦で、クラシック競走を終えた一流競走馬の目標の一つだった。

ハンデキャップ競走のため、イギリスの競馬の競走格付けからははずれているものの、賞金額は一部のG1競走よりも多い。ニューマーケット競馬場の公式サイトでも「G1競走」の欄にケンブリッジシャーハンデキャップとともに掲載されている[1][2]

特徴として、多頭数になることで知られ、過去の最多出走数は34頭である。多頭数のハンデ戦ということは勝馬の馬券の倍率が高くなるということであり、馬券を買うファンにも人気の高い競走である[3]。なお、ケンブリッジシャーハンデと“秋の二冠(Autumn Double)”をなしているが、最後に二冠を制したのは19世紀であり、わずか2週間ほどの間に倍ほどの距離の差がある競走を制するのは困難で、現在はあえて二冠に挑むものは稀である[3]

レース名について

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競走名の「Cesarewitch」は「ロシア皇太子(Цесаре́вич)」を英語風に綴ったものである。競走の創設に当時のロシア皇太子が関わったことからこの名がある。

「ツェサレーヴィチ」はロシア風の読み方であり、英語ではCesarewitchを「シザーウィッチ」のように読むため、この競走名は日本語では「シザーウィッチハンデ」や「シザーラウィッチハンデ」のように表記することもある。

ニューマーケット競馬場のローリーマイルコースで行われる。ローリーマイルコースは1マイル2ハロン(約2012メートル)の直線コースであるが、この競走のために作られた分岐コースがあり、これを特に「Cesarewitchコース」と呼ぶ。Cesarewitchコースはローリマイルコースで2000メートル以上の競走を行なう際に用いられる。

なお創設時は「ロシア皇太子ハンデキャップステークス(Cesarewitch Handicap Stakes)」の名称で行われたが、開催年によっては「ロシア皇太子ハンデキャップ」「ロシア皇太子ステークスハンデキャップ」など、正式名称は頻繁に変わっている。なかでも単に「Cesarewitch」という競走名で行われている年次も多く、近年はスポンサー名を冠した「Betfred Cesarewitch」(2011年 - 2013年)といった競走名で行われている[4]。本項ではこれらを一貫して「ロシア皇太子ハンデキャップ」と称することとする。

歴史

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ロシア皇帝のアレクサンドル2世がまだ皇太子だった時期に、イギリスのジョッキークラブに300ポンドを寄付したことで、1839年に創設された。2マイル4分の1(つまり2マイル2ハロン、約3621メートル)のこの競走は、イギリス史上初めての全国的な意義を持つハンデキャップ競走だった[5]。同じ年に創設されたケンブリッジシャーハンデキャップ(9ハロン)と合わせて、“秋の二冠(Autumn Double)”と称し、イギリスの秋の代表的なハンデキャップ競走となった。

“秋の二冠”を初めて連覇したのは1876年のローズベリー(Rosebury)で、その後はフォックスホール(Foxhall、1881年)、プレザンテリー(Plaisanterie、1885年)が達成している。フォックスホールはパリ大賞典、ロシア皇太子ハンデキャップ、ケンブリッジシャーハンデキャップ、ゴールドカップを制したことで「当時ヨーロッパの最良馬」(『競馬の世界史』p.138)との評価を獲得している。

1854年にはフランスのモナルク(Monarque)がフランス2000ギニーフランスダービーなどを制してロシア皇太子ハンデに挑んだが敗退した[6]

第二次世界大戦中は戦争の影響を受けた。1940年から1943年には2マイル24ヤードに短縮して開催され、1943年にはニューマーケット競馬場のほか、アスコット競馬場で「Ascot Cesarewitch」が、ストックトン競馬場では「Northern Cesarewitch」が行われた。翌1944年はニューマーケット競馬場では開催されず、アスコット、ストックトン両競馬場で開催された。

2015年からはデューハーストステークスと同じ日に行われている。古くはロシア皇太子ハンデが先、ケンブリッジシャーハンデが後に施行されていた。2013年現在では、ロシア皇太子ハンデは10月に行われ、ケンブリッジシャーハンデは9月の「ケンブリッジシャー開催」の目玉競走となっている。

歴代勝馬

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施行年距離優勝馬備考
18392マイル2ハロン
(約3621メートル)
Cruiskeen
1840Clarion
1841Iliona
1842Arcanus
1843Corranna
1844Faugh-a-Ballagh
1845The Baron
1846Wit's End
1847Caurouch
1848The Cur
1849Legerdemain
1850Glauca
1851Mrs. Taft
1852Weathergage
1853Haco
1854Muscovite
1855Mr. Sykes
1856Vengeance
1857Prioress
3頭同着後、決勝戦で優勝馬を決定。
1858Rocket
1859Artless
1860Dulcibella
1861Audrey
1862Hartington
1863Lioness
1864Thalestris
1865Salpinctes
1866Lecturer
1867Julius
1868Cecil
1869Cheri
1870Cardinal York
1871Corisande
1872Salvanos
1873King Lud
1874Aventuriere
1875Duke of Parma
1876Rosebery
1877Hilarious
1878Jester
1879Chippendale
1880Robert the Devil
1881Foxhall
1882Corrie Roy
1883Don Juan
1884St. Gatien
1885Plaisanterie
1886Stone Clink
1887Humewood
1888Tenebreuse
1889Primrose Day
1890Sheen
1891Ragimunde
1892Burnaby
1893Red Eyes
Cypria
同着
1894Childwick
1895Rockdove
1896St. Bris
1897Merman
1898Chaleureux
1899Scintillant
1900Clarehaven
1901Balsarroch
1902Black Sand
1903GreyTick
1904Wargrave
1905Hammerkop
1906Mintagon
1907Demure
1908Yentoi
1909Submit
1910Verney
1911Willonyx
1912Warlingham
1913Fiz Yama
1914Troubadour
1915Son in Law
1916Sanctum
1917Furore
1918Air Raid
1919Ivanhoe
1920Bracket
1921Yutoi
1922Light Dragoon
1923Rose Prince
1924Charley's Mount
1925Forseti
1926Myra Gray
1927Eagle's Pride
1928Arctic Star
1929West Wicklow
1930Ut Majeur
1931Noble Star
1932Nitsichin
1933Seminole
1934Enfield
1935Near Relation
1936Fet
1937Punch
1938Contrevent
1939Cantatrice II
19402マイル24ヤード
(約3241メートル)
Hunters Moon IV
19412マイル24ヤードFilator
1942中止
19432マイル24ヤードGermanicus
※アスコット、ストックトン両競馬場では独自に開催。
1944中止
※アスコット、ストックトン両競馬場では独自に開催。
19452マイル2ハロンKerry Piper
1946Monsieur L'Amiral
1947Whiteway
1948Woodburn
1949Strathspey
1950Above Board
1951Three Cheers
1952Flush Royal
1953Chantry
1954French Design
1955Curry
1956Prelone
1957Sandiacre
1958Morecambe
1959Come To Daddy
1960Alcove
1961Avon's Pride
1962Golden Fire
※1位入線のOrchardistは降着。
1963Utrillo
1964Grey of Falloden
1965Mintmaster
1966Persian Lancer
1967Boismoss
1968Major Rose
1969Floridian
1970Scoria
1971Orosio
1972Cider with Rosie
1973Flash Imp
1974Ocean King
1975Shantallah
1976John Cherry
1977Assured
1978Centurion
1979Sir Michael
1980Popsi's Joy
1981Halsbury
1982Mountain Lodge
1983Bajan Sunshine
1984Tom Sharp
1985Kayudee
1986Orange Hill
ジュライコースで施行。
1987Private Audition
1988Nomadic Way
1989Double Dutch
1990Trainglot
1991Go South
1992Vintage Crop
1993Aahsaylad
1994Captain's Guest
1995Old Red
1996Inchcailloch
1997Turnpole
1998Spirit of Love
1999Top Cees
ジュライコースで施行。
2000Hero's Fatal
2001Distant Prospect
2002Miss Fara
2003Landing Light
2004Contact Dancer
2005Sergeant Cecil
2006Detroit City
2007Leg Spinner
2008Caracciola
2009Darley Sun
2010Aaim to Prosper
2011Colour Vision
2012Aaim to Prosper
2013Scatter Dice
2014[7]Big Easy
2015[8]Grumeti
2016[9]Sweet Selection
2017[10]Withhold
2018[11]Low Sun
2019[12]Stratum
2020Great White Shark
2021Buzz
2022Run For Oscar
2023[13]The Shunter
2024Alphonse Le Grande
2025Beylerbeyi

関連項目

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  • ゴールドカップ - 1845年にロシア皇帝ニコライ1世が観戦し賞品を下賜したことから、「大ロシア皇帝陛下プレート」に競走名が改称された。1853年に勃発したクリミア戦争でイギリスとロシアが交戦したために、1854年以降はゴールドカップに改称した。

脚注

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出典

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  1. ニューマーケット競馬場公式HP ロシア皇太子ハンデ2013年10月25日閲覧。
  2. 2014チャンピオンズデイ開催について2013年10月25日閲覧。
  3. 1 2 ロシア皇太子ハンデキャップの歴史 - 2013年10月25日閲覧。
  4. ロシア皇太子ハンデキャップ結果一覧2013年10月25日閲覧。
  5. 『競馬の世界史』p.140
  6. 『競馬の世界史』p181
  7. 2014年レース結果 - racingpost、2014年10月13日閲覧
  8. 2015年ロシア皇太子ハンデキャップ - racingpost、2015年10月13日閲覧
  9. 2016年ロシア皇太子ハンデキャップ - racingpost、2016年10月9日閲覧
  10. 2017年レース結果”. レーシングポスト (2017年10月14日). 2018年11月12日閲覧。
  11. 2018年レース結果”. レーシングポスト (2018年10月13日). 2018年11月12日閲覧。
  12. 2019年レース結果”. racingpost (2019年10月12日). 2019年10月13日閲覧。
  13. 2023年ロシア皇太子ハンデキャップレーシングポスト、2023年10月14日閲覧

参考文献

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