メタノコックス綱

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メタノコックス綱
分類
ドメ
イン
: 古細菌 Archaea
: ユリアーキオータ界
Euryarchaeota
: ユリアーキオータ門
Euryarchaeota
: メタノコックス綱
Methanococci
学名
Methanococci Boone 2002
  • メタノコックス目

メタノコックス綱(Methanococci)は主に海洋に分布するメタン生成古細菌の1である。

グラム陰性で運動性を持つ球菌であり、水素二酸化炭素、またはギ酸を資化して増殖する。細胞表面は単純タンパク質性の薄い細胞壁S層)に包まれているが、機械的強度が弱く純水界面活性剤に接触すると容易に溶菌する。メタノコックス科は常温性(または弱い好熱性)で海洋沈殿物などの広い嫌気条件、メタノカルドコックス科は超好熱性で深海熱水噴出孔などに生息する。GC含量が低く(一般に40%以下)、これにより同じグラム陰性のメタン菌メタノミクロビウム綱との区別が可能である。

メタノコックス綱の仲間ではMethanocaldococcus jannaschiiが最も研究が進んでおり、古細菌として初めて全ゲノムの配列が解読された。古細菌はDNA複製転写翻訳などに真核生物に似たところがあると言われていたが、これによりゲノムレベルで類似していることが実証された。至適条件での世代時間が26分とメタン菌の仲間では2番目に速いため、この他様々な研究に使用されている。

メタノコックス綱はユリアーキオータ門の綱の1つで、系統解析からはメタノバクテリウム綱メタノピュルス綱に近縁なことが示されている。下位分類はメタノコックス目以下1目2科4属が設定されている。

下位分類[編集]

本目の基準であるMethanococcusが提唱されたのは1936年にまで遡るが、分類は何度か変更されている。例えば当初基準種だった"Methanococcus mazei"は、現在Methanosarcina属に移されており、現在の基準種はMethanococcus vannieliiである。Methanocaldococcus jannaschiiも、かつては"Methanococcus jannaschii"と呼ばれていた(現在でも呼ぶことがある)。

参考文献[編集]

  • Jones, W.J., et al. (1983). “Methanococcus jannaschii sp. nov., an extremely thermophilic methanogen from a submarine hydrothermal vent”. Arch. Microbiol. 136 (4): 254–261. doi:10.1007/BF00425213. 
  • Bult, C.J., et al. (1996). “Complete genome sequence of the methanogenic archaeon, Methanococcus jannaschii”. Science 273 (5278): 1058–1073. doi:10.1126/science.273.5278.1058.