プラトーの法則

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石けん膜の様子

プラトーの法則: Plateau's laws)とは石けん膜英語版の構造を記述するものである。19世紀ベルギー物理学者であるジョゼフ・プラトーの実験観察によって定式化された。多くの自然法則はに関するプラトーの法則の上に成り立っている[1]

石けん膜の形状と配置に関するプラトーの法則は以下のように説明される[2]

  1. 石けん膜の表面は全体的に滑らかである。
  2. 同一の石けん膜について、石けん膜の部分的な平均曲率英語版はどこも一定である。
  3. 石けん膜は常に3つ接触しており、プラトー境界と呼ばれる稜線を形成しながらお互いに cos−1(−1/2) = 120° の角度を形成している。
  4. プラトー境界が4つ集まって形成する頂点の4面体角度は cos−1(−1/3) ≈ 109.47° である。

これらのプラトーの法則以外の構造は不安定であり、泡はプラトーの法則を満たすようにすぐに再配置する傾向にある[3]

また、これらの法則は極小曲面についても成り立つことが Jean Taylor によって幾何学的測度論英語版を用いて証明されている[4][5]

脚注[編集]

  1. ^ Ball (2009), pp. 66–71, 97–98, 291–292.
  2. ^ Ball (2009), p. 68.
  3. ^ Ball (2009), pp. 66–67.
  4. ^ Taylor, Jean E. (1976). “The structure of singularities in soap-bubble-like and soap-film-like minimal surfaces”. Annals of Mathematics. Second Series 103 (3): 489–539. doi:10.2307/1970949. JSTOR 1970949. MR0428181. 
  5. ^ Almgren, Frederick J., Jr.; Taylor, Jean E. (July 1976). “The geometry of soap films and soap bubbles”. Scientific American 235: 82–93. doi:10.1038/scientificamerican0776-82. 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]