ノート:1-オクテン-3-オール

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現在の岩出亥之助の業績に関する記述はおそらくここを参照して書かれたものであると推定しますが、マツタケオールの単離、構造決定は村橋俊介の方が先であったようです(微妙なところですが)。少なくとも単離の方は理研の年報に研究の先取権を主張する報文が出ています(Beilsteinから文献をたどれます)。 1-オクテン-3-オールの合成もマツタケの研究とは関係ないドイツの研究者が村橋の構造決定よりも先に行なっていたはずです。村橋がその結果を元に構造決定しています。 多分単離と構造決定に関しては独立した発見として両名の業績を併記する方向になるとは思うのですが、双方の論文を見てみないと正確な記述は困難な感じですのでとりあえずテンプレートで注意喚起しておきます。銀猫 2007年4月7日 (土) 12:18 (UTC)[返信]


CAS で RN [3391-86-4] から検索したところ、

"Preparation of some cis- and trans-ethylenic alcohols and several of their derivatives. Comparison of their physical properties." Gredy, Blanche. Bull. soc. chim. (1936), 3, 1093-1101. にて、

CH2=CHCHO + C5H11MgBr → CH2=CHCH(OH)C5H11 46%

と合成されていました(abstract による)。

マツタケの成分であることに関しては1944年に

"Volatile plant materials. XXV. Presence of Matsutake's alcohol (1-octene-3-ol) and 3-methylcyclohexanol in essential oil of European pennyroyal (Mentha pulegium)." Naves, Y. R. Helvetica Chimica Acta (1943), 26 1992-2001.

という報文があるようです。abstract からは抽出法について記されていることがうかがえます。残念ながら、日本人の成果はヒットしませんでした。--スのG 2007年4月7日 (土) 12:41 (UTC)[返信]

ご編集拝見しました。何と申しますか、ただただありがとうございます。--スのG 2007年4月16日 (月) 14:17 (UTC)[返信]
わざわざ検索までしていただきましてありがとうございました。
それから上の自分の文章の訂正です。村橋俊介が先取権を主張していたのは、単離ではなくて構造決定でした(理化学研究所彙報 1938,17(1),16)。その内容は次のようなものです。岩出の論文では二重結合の位置を決定するために過マンガン酸カリでの酸化を行なってヘキサン酸を得たとしています。しかし、このヘキサン酸の同定が元素分析値と銅塩の結晶型と屈折率からのみとなっていて、通常行なわれるべき融点測定とauthentic sampleとの混融試験が行なわれていません。この点について村橋が指摘して構造決定としては不完全であると主張しています。しかし、岩出は3-オクタノールを合成して、天然から得られた1-オクテン-3-オールを水素化したものと一致を確認しています。そのため、得られるカルボン酸は直鎖のもの以外に考えられないので、元素分析値で充分ともいえると思いました。
ただ、合成されてそれと一致してはじめて構造決定である、というやや合成屋POVかもしれない視点から考えると、やはり合成品との一致を確認していない岩出の業績は構造推定で、村橋の方が構造決定という感じがしますので、記事本文のような書き方になっています。銀猫 2007年4月16日 (月) 15:48 (UTC)[返信]